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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第四項 迷宮の街
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ダンジョンへ

「帰還石、転移石、結界石がそれぞれ1個ずつで合計160万バースとなります」


 私の臨時報酬が溶けていくではないか。帰還石と転移石が高すぎるんだが。こんなものそう何個も買えないぞ。特に転移石、お前はダメだ。何故お前一つで100万バースも取られるのか。


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〈帰還石〉 希少級 ☆10

ダンジョン内で使うことで最大6人までをダンジョンの外に移転させる


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〈転移石〉 希少級 ☆10

ダンジョン内で使うことで最大6人までを上層か下層に転移させる


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〈結界石〉 希少級 ☆10

ダンジョン内で使うことで最大6人まで入れるセーフティーエリアを展開する。この結界内は魔物が侵入しにくい


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 それぞれの効果はこんな感じだ。確かに転移石の効果は強力だ。これがあればめんどくさい階層をとばして上の階層に挑むことができるからな。帰還石も50万バースとかなり高かったがそれに見合う効果を持っている。ダンジョンから出るには魔法陣が設置されている特定の階層に行かなければならないので中途半端な階層にいるときはこのアイテムを使えばすぐに脱出できるようになる。


 それと、ほとんどのプレイヤーは私のように何時間もプレイすることはできないだろう。なので、ダンジョン内でもログアウトできるようにするのが結界石だ。これを使って何日かかけてダンジョンを攻略していくのだろうな。これらのアイテムを一人で買うにはかなり値が張るがどれも6人まで同時に効果が発揮されるのでパーティーを組んでいるプレイヤーは仲間で割り勘でもすれば買えなくはないだろ。ソロのプレイヤーは何というか、おつです。


 野良でパーティーを組めばいいのだがあまりお勧めはできない。どこかで裏切られる可能性もあるし固定パーティーが一番だ。そこまで殺伐としたことにはならないとも思うがなにせ野良は魔境だからな。


 買い物が終わったのでギルドから出てダンジョンに向かう。塔のダンジョンは遠くから見てもその存在感に圧倒されたが近くで見ると余計にその大きさに息を飲むことになる。直径はどのくらいなのだろうか。塔の周りを一周するの何時間とかかりそうなので相当大きいのは言うまでもない。


 ダンジョンはギルドから数分のところに在るのですぐに着いた。ダンジョンに入るには魔法陣に乗る必要があるのでそのためにプレイヤーや住民が並んでいる列の最後尾につく。その列もすぐに進んでいき魔法陣が目前へと迫って来た。この魔法陣に乗ればついに念願のダンジョンへと入ることができる。今までアーサーや聖にフレンドメールでさんざん煽られたのでいろいろと溜まっているのだ。


 そして、ついに私に順番が回ってきた。私が魔法陣に乗ると目の前に〈転移する階層を選択してください〉とウィンドウが現れるがもちろん初めて挑むダンジョンなので1階層目しか選択肢はなかった。もちろんそれで構わないので1階層目の欄を選択すると魔法陣から眩い光が放たれ、気づいた時には周りが土の壁で覆われた通路に立っていた。


「ここがダンジョンか。一刀の情報通りこの階層のコンセプトは洞窟だな」


 私が跳ばされたエリアは名付けるなら洞窟型と言ったところか。とりあえずここにいてもなんなので上の階層に繋がる階段を探すことにする。


「階段を目指すと言ってもどこに向かえばいいのかさっぱり分からないな。仕方がない。この通路を直進してみるか」


 私が立っている通路はずっと先まで続いているのでこの道を進めば何か変化があるかもしれない。一刀の話によれば、このダンジョンは円形になっており、その階層の中心に上へと繋がる階段があるとのこと。つまり適当に走っていれば中心に着くわけではない。そんなことを言ってもどのルートが正解なのか分からないのでまずは探索をしてみる。




「......これは面倒くさいな」


 困ったことにこの通路には至る所に横穴があり、まさに迷路のようになっているのだ。1階層目でこれかよ、と思わなくもないが今日で20階層まで上るつもりでいるので早い所このダンジョンに慣れないとだな。


「てなわけで行きますか。エンチャント・グリーンアップ......ハイエンチャント・グリーンアップ」


 AGI上昇のバフをかけてダンジョン内を走る。今のところはスキルを使っても敵の気配は見受けられない。まだ1階層目ということもあり敵の数も少ないのだろう。だったらこの迷路みたいな構造もやめろと言いたいのだが誰に苦情を言えばいいのか分からないので諦める。


「こんにちは。そして、さようならだ」


〈戦闘が終了しました〉


 私が走っていると横穴からゴブリンが飛び出してきた。しかし、スキルによって事前に気配を察知していたので導魔を振るい一撃でHPを全損させる。飛び出してくるときに一々声を上げて襲って来るなよな。それでは奇襲になっていないではないか。


「ゴブリンが1体いたと言うことは他にもゴブリンがいる可能性は高いがスキルには反応なしか」


 黒い靄と液体となって溶けていくゴブリンを見ながらそう呟く。魔の森では1体でもゴブリンがいればまるであのGと恐れられる黒の悪魔のようにそこら中で気配察知に反応がでるのだがダンジョンでは違うようだ。ついでに魔物を倒したときのエフェクトも違うみたいだな。これには何か意味があるのかね。どっちにしろ私のインベントリに〈汚い布〉とかいうゴミアイテムが入っているのでドロップアイテムについては特に仕様が変わっていないみたいだ。


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