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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第三項 森林の街
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ウッドアニマル その2

「パラライズ。これもダメか」


 マジでウッドアニマルが速すぎる。麻痺で行動不能にしてやれば楽に倒せそうだが魔術陣から飛んでいく紫電を軽く避けるのでこいつには当たる気がしない。それにコイツのなにがヤバいって初動から一瞬で最高速に達するところだ。

 そのおかげで、私の攻撃もヤツに当たる前にはすでにどこかに行ってしまう。コイツを倒すにはとにかく速い一撃か、ヤツの動きを止める必要がある。


「ホーリープリズン......ヘルオーラ」


 ダメだ。魔術陣が展開した瞬間にはウッドアニマルが逃げていて光の牢獄が完成した時には誰もいない状態になってしまう。魔術陣が見えるのが良くないみたいだな。ロードのオリジナルスキルがあればなんてことはないのだろうが私にはどうしようもない。

 これは魔術に頼らないで魔物を狩れって師匠からのメッセージなのかね。そう言うことだったら、魔術なしで修行をこなして見せようではないか。


 歩之術理 死点取


 コイツがどのような原理で私の攻撃を避けているかは知らんが、視覚を頼りにしているのならこの攻撃は避けられないだろう。

 地面を蹴り、高速でウッドアニマルに近づきながら重心移動により唐突に軌道を変えることでヤツの認識にズレを生じさせ、その隙に視界から消える。

 

 攻之術理 雷切


 閃撃が高速の切り上げに対して雷切は高速の切り下げを放つ。仮想の鞘から抜き放たれた一閃は確実にウッドアニマルの首を捉え......銀樹刀が首を跳ねる直前にウッドアニマルはこちらを振り返り脱兎のごとくその場から逃げていく。

 高速で近づき攻撃したというのに完全に私のことを捉えていたのでアイツは視覚ではなく感知系のスキルでもあるんじゃないかな。


 未だに向こうからは一切攻撃してこない。このままいたちごっこをしてもしょうがないし、一旦仕切り直しだな。

 その場で居合の構えを取りウッドアニマルが接近するのを待つ。我慢比べをしてやろうじゃないか。ヤツが私の知覚領域に入ってくれば私の勝ち、それまでに私の集中力が切れたら私の負けだ。


 五分が経過した。ヤツは未だに私のことを眺めているだけで動く様子はない。


 そして、十分が経過した時ついにヤツが動き出した。そう、私とは真逆の魔の森の深部に。


「は? キレていいかな? この修行、最悪なんですけど」


 逃げるって選択肢は魔物も使えるのかよ。それにあの野郎、森の深くに入っていくときに『何コイツ?』みたいな顔してから行きやがったぞ。

 カッチンプッチンプリンだわ。どうにかしてヤツの感知能力を欺きたいが今のスキルでは無理だろうし、やっぱり技術でどうにかできないだろうか。


 すでに技の精度の問題ではなく、いかにしてヤツに気づかれないかが重要だ。さっきの戦いで分かったことはヤツは視覚に頼らない感知手段があること。その感知能力は音の有無には関係ないってとこか。攻撃の際には音を出さないようにしていたからな。

 それとウッドアニマルは一度も攻撃をしてこなかったのも特徴としては挙げられる。それも私が反撃してくると分かった上で近づいてこないのだったらヤツの感知能力は未来予知レベルだ。


「他のウッドアニマルはどこにいるかね」


 狐型のウッドアニマルに逃げられたが前に来た時には他の動物もいたので種類が狐だけと言うことはないだろう。だから、あそこにいる兎もウッドアニマルである可能性がある。


「しかし、兎だと結果が分かりきってるんだよな」


 狐よりも体格が小さい兎が相手なら、ろくに攻撃を当てられないだろう。どうせ他にも種類はいるだろうし、戦いやすい種類から倒しに行くか。大型のウッドアニマルはいないのか? 猪とかいいと思うぞ。猪なら、なりふり構わず突っ込んできそうだしな。


「猪は怖いな。もし出てきたら恐怖で動けなくなるかもしれん」


 これでオッケーだ。運営も今の言葉を聞いたら私に猪型のウッドアニマルを寄こしてくるに違いない。念のためもう一度言っておくか。「猪は怖い」ってな。


「はぁ、こんなので来るんだったらアイアンゴーレムの魔石集めも捗ってるというのにな」


 もちろん、猪型のウッドアニマルが来ることはなく見つけたのは狐、兎、鹿型の三種類だけだ。この中だったら鹿型のウッドアニマルが一番デカい。これ以上探しても時間がもったいないので鹿型に狙いを定めて狩ることにする。

 

 歩之術理 影潜


 鹿に擬態したウッドアニマルを見つけたのでヤツの死角を移動することで目視されないように近づく。かなり接近しているのだが、まだヤツには気づかれていないようだ。もしかして感知範囲はかなり狭いのか?


 攻之術理 死突


「チッ。お前もか」


 今度こそ確実に決められると思った突きによる一撃も当たる直前に気づかれ避けられてしまう。全くどんなからくりをしてやがるんだ。本当に直前になって気が付くのは何かがおかしい。私が知りえる感知系のスキルは一定範囲内に敵が侵入したらすぐに反応するものばかりだ。

 ここまでギリギリで敵を感知するのには何かわけがあるはずだ。それを暴き出せればこいつに苦戦しないで戦うことができる。

 そこまでいけば後は消化試合。ヤツらもそれなりにレベルが高いだろうが攻撃が当たるなら負ける気はしない。


頭に浮かんだ戦闘描写を文にするのは難しいですね。


それはさておき、森林の街もいよいよ終盤です。その後は掲示板を挟んで迷宮の街のお話になりますが今回は登場人物紹介がありません。その分他に説明を入れて欲しいものがあれば気軽にコメントしてくださると助かります。


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