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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第三項 森林の街
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オリジナルスキル

「動きます。体が動きます!」


 アリアさんが自分の力で動かせるようになった体を見て涙を流す。


「お母さん!!」

 

 それを見た少年も母親に抱き着き泣きながら喜ぶ。傍にいたジェスタさんたちも涙を流すがそれよりもアリアさんと少年が抱き合っている光景が微笑ましくて仕方がないのだろう。朗らかに微笑み二人を見続けていた。

 これで、私の役目は終わりだな。早いとこここからは退散して飯を食べに行こう。街でログアウトするつもりで魔の森から出てきたのに想像以上に時間を食ってしまったじゃないか。


「呪いの方は......聞かなくても良さそうですね。それでは私はこの辺で失礼します」


「待ってください、神官様!! 今日は本当にありがとうございました。本当はもうダメかと思っていたので本当に、本当にありがとうございました」


「感謝の言葉は私ではなく少年にしてあげてください。私をここに連れてきたのもすべて少年ですからね」


 頭を下げるアリアさんにそう告げ私は屋敷を出るため門に向かって歩き出す。無事に解呪できてよかった。あそこで解呪に失敗してたら本当に空気が凍ってだろうしな。まあ、〈白黒〉を限界まで発動した状態ならレジストされることはないと思っていたので想定通りではある。

 エルダーに襲われている少年を助けるときからイベクエが始まっていると考えればアリアさんの呪いを解くイベントは、少年の救出のチェインクエストだと考えられるので推奨レベルが多少は上がっても達成が不可能ではないと睨んでいたのだ。


 でも、結局は報酬がないっぽいけど。これは私が報酬はいらないと言ったのが悪いけど、少し期待しちゃうじゃんか。教会の人間が金にがめついと思われるのもどうかと思い断ったが聖人ムーブをしすぎたか?


「神官さま!!」


 今度は何事かと思い後ろを振り返れば少年がこちらに向かって走ってきた。


「神官さま! 僕を神官さまの弟子にしてください。僕も神官さまみたいに強くなりたいです!!」


 私が師匠になるなんて笑ってしまうじゃないか。今はリーンさんと言う師匠がいるのにそれをさしおいて弟子を取ることなんてできないし、第一に弟子を育てることなど私にはできない。

 どうも私は感覚派らしく道場で姪の十六夜に稽古をつけた時には「言ってることが擬音だらけでうざい」って言われたよ。あの時は笑いながらしごいてやったがな。


 擬音が多くて分かりづらいなら分かるがウザイはないだろ。危うく私のルパートの滴製のハートにかすり傷が付くとこだったぞ。

 

「それは、すまないが承諾できない話だ。もし、強くなりたいなら少年のお父さんに頼んでみるのはどうかな? 王国魔術士なんだろう?」


「それは......できない。だって、僕は魔術に適性がないから。でも、神官さまは魔術を使わなくたってすっごく強かった」


 やっべ、地雷を踏み抜いたかもしれない。しかし、アリアさんたちには魔術のスキルがあったからてっきり全員が習得できるのだと思っていた。どこからか私のこと見ている諸君はなんでそんなこと知ってるのか疑問に思ったかもしれないが、そんなのは鑑定を使ってステータスを視たからに決まってるだろ?

 だが、これはアリアさんにかかっていた呪いの詳細を調べようと鑑定を使ったのでむやみやたらと覗いているわけではないからな。ちなみに鑑定では呪いの詳細は全く分からなかった。


 そう言えば少年のステータスはまだ見ていなかったな。折角だし覗かせてもらうか。少年も呪いにかかっていたら大変だしな。おいそこ、呪いはステータスに表示されなかったんじゃないの? とか言わない。理由なんか適当でいいんだよ。適当で。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

NAME:レイ=ノーレクト

RACE:ヒューマン


オ?ジ??スキ?

魔???


スキル

剣術

持久力

身体強化


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 住民のステータスは私たちの仕様とは違うようでパラメータは全く見えていない。それにスキルや種族レベルも表示されていない。職業の欄は少年にはまだ出ていないがアリアさんたちには表示されていたので職に就いていないとステータスに反映されないのだろうな。

 さて、そろそろあれに触れるか。てかどう見てもあれはオリジナルスキルだよな。文字数も一致してるしこれは確定だろう。オリジナルスキルの名称は......魔術○○とかかな? 魔術が使えないと言っていたし流石に違うか。でも、魔術・魔力・魔素のどれかが入りそうだ。


 意外と驚いていないように見えるって? その通り。実はそんなに驚いていない。なにせここまでの流れがテンプレだろ?

 だが、彼らにとっては違うんだろうな。私がオリジナルスキルを使うと言ったときにもかなり驚いていたし、少年が持っていると知ったらどんな反応をするんだろうか。


「だったら私じゃなくて冒険者に修行をつけてもらうと良い。そうすれば少年もオリジナルスキルがあるようだしきっと強くなれるぞ」


 かなり重大な話になりそうだったので少年をアリアさんの下に連れていきそう伝える。


「え?」


「「 え、えぇぇぇ!? 」」


 ですよね。知ってた。


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