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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第三項 森林の街
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マザープラント戦

「作戦通り僕がカラープラントを倒すからゼロはマザープラントをお願いね」


「了解だ。最速で回すぞ。私は始まってすぐに連続詠唱を連発するから聖も本気でやれよ」


 マザープラントを周回するためにも一回にかける時間は短い方がいい。なので〈白黒〉を使ってパラメータを超強化したあとは邪魔術のヘルオーラで最速で仕留める。

 作戦は単純だがそのためにもカラープラントとかいう面倒なモブの処理を聖に完璧にこなしてもらわなければならない。なにせ連続詠唱中は身動きが取れないので一度でも攻撃を食らえば〈白黒〉が解除されてしまうからな。


〈ボスエリアに侵入しました。戦闘を開始します〉


「始めるぞ。

【我 魂を清め穢す者 我が領域を侵す愚者には呪言を囁き我が親睦なる者には祝福を授ける 生死流転(しょうじるてん)の権は我が手にあり〈連続詠唱 七種白黒(びゃこく)〉】」


 私が魔術を行使すると白と黒の魔術が出現する。

 白の魔術陣は私の周りに二つ現れ、私と聖に光が差し込み私には黄色のオーラが聖には赤のオーラが纏わりつく。そしてマザープラントの周りにも十の魔術陣が展開され光の柱を召喚してマザープラントの動きを封じ込める。

 さらに二つの黒の魔術陣からはマザープラントに薄暗い茶色と半透明のオーラが飛び出す、もう一つの魔術陣から虫のようなものが這い出てきてマザープラントの内部に侵入する。しかし、茶色のオーラはマザープラントに触れた瞬間霧消し、虫が侵入したのにも関わらずマザープラントは狂乱状態にならなかった。

 そして最後に光の柱に封じられたマザープラントを中心にして黒の魔術陣から闇を連想させる靄のようなものがにじみ出てマザープラントのHPをわずかに削っていく。


 練習の甲斐あり、と言ったところか。今までは6種類で限界だった連続詠唱もついに7種まで発動できるようになった。だが、まだ慣れていないので成功率は低い。

 

「マジかー。ゼロもそのレベルで連続詠唱できるようになったんだ。〈瞬間装填〉」


 聖が軽口を叩きながら次々とカラープラントの頭? みたいな向日葵の種が集まっている部分を射抜いていく。まだSTRが足りていないなのでカラープラントを一撃で倒しきることはできていないがそれでも2割はHPを削れている。

 おっと、ヘルオーラは継続時間が短いから早く次の準備をしないとだ。


「【聖光が我らを照らし冥府が仇を呼びつける 極楽浄土 魑魅魍魎 天門に上りて獄門を睥睨す〈連続詠唱 六種白黒〉】」

 

 続けて魔術を発動しさらに〈白黒〉の効果を上昇させる。ホーリープリズンとヘルオーラはもちろんのことその他のバフ・デバフをかけて私たちの強化とマザープラントの弱化を促進させていく。

 

「まだまだ、火力が足りてないよ。火力マシマシでお願いしま~す」


「はいよ。火力マシマシ入りました!!

【聖光が我らを照らし冥府が仇を呼びつける 極楽浄土 魑魅魍魎 天門に上りて獄門を睥睨す〈連続詠唱 六種白黒〉】」


 とにかくヘルオーラはだけは切れないように魔術を使いパラメータを上昇させていく。最初は数ミリ程度しか削れていなかったHPも徐々に強化され始めたINTのおかげで今では目に見えて削れていく。


「やばいぞ。聖!!」


「どうしたのさ。何か問題でもあった?」


「大問題だ。動いていないと手が震えだすんだが」


「冗談やめてよね。何か失敗したのかと思っちゃったじゃないか」


 あれ? 冗談じゃないんだけど。まあ、いい今日は効率重視で戦うと決めているのだ。変に突っ込んでダメージを食らってしまっては意味がない。

 連続詠唱を行使するには今欲しいバフやデバフがないためあとは個別でアーツを使っていく。今の戦闘で必要なのはSTRとINTの上昇バフとホーリープリズン、あとはマザープラントにかけるデバフ、ヘルオーラだ。これらのアーツだけは切らさないように発動しとけば時間の経過とともにヤツも力尽きるだろう。


「やっぱり、ゼロがいると早いね。でも味方は強化するけど敵は弱くする。そして手加減なしに攻撃するなんてまるで悪魔のごとき所業だね」


「お前がそれを言える立場か? 敵がどこにいても矢が届く範囲だったら確実に当てる聖の方がよっぽど悪質じゃないか」


「そんなことないって。それに僕は悪くないよ。だって、当てられる場所にいる方が悪いんだからさ」


「それもそうだな......ヘルオーラ」


 気が付いたらマザープラントのHPは3割を切ろうとしていた。HPが5割になった時点で根っこで歩き出そうとしていたがホーリープリズンによって行動制限をかけられており、結局は一歩も動けていない。


「ゼロ、そろそろ来るよ」


「分かっている......シールド」


 マザープラントのHPが3割になり種を乱射する直前にシールドを張り聖の後ろに回る。種の弾幕は聖が処理をしてくれるそうなので私はシールドを張って攻撃を食らわないよう保険をかけたらひたすらにアーツを行使し続ける。


「〈瞬間装填〉〈属性付与〉〈属性解放〉」


 マザープラントが茎部分についている手のような根を地面につけ向日葵の花の部分を私たちに向ける。その様子を〈魔力視〉で伺えば花の中心に魔力が集まっていき、爆音を立てながら花についていた種子を飛ばしてくる。

 こりゃあ、避けるのは無理かもしれんな。広範囲攻撃は別として多重判定型の攻撃は私が苦手とする攻撃だ。それに種も小さいし種と種の間隔も少ないので捌くのは今の私ではできない。だが、聖なら話は別だ。


 オリジナルスキルにより一度に撃てる矢の数が2つになった弓で一度も手を休めることなく連射する。さすがにマザープラントの種の量に比べれば劣ってはいるが〈属性解放〉により矢が種と直撃することで爆発を引き起こし爆風で種を吹き飛ばす。

 必然。聖がそう呼ばれている一端をまた見させてもらった。普通は飛んでくる小指の爪サイズの種を矢で射抜くなんて芸当はできないんだがな。


 そして、マザープラントの攻撃を聖が防いでいる間に私もヘルオーラを絶え間なくかけ続け、あっという間にヤツのHPを0にした。

 戦闘終了までは大体5分強くらいか。これなら問題なく周回できる。再度マザープラントに挑戦するには後数分時間が必要なのでその間に今の戦闘で使用したMPを回復させておこう。


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