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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第三項 森林の街
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エルダートレントン RTA

 精神統一も十分。イメトレも完璧だし下手なミスは起こらんだろう。


「それでは始めるぞ。FA(ファーストアタック)はロードに任せる」


「承知。詠唱時間は10秒で行きますぞ

【炎の鎧を纏い我が力をもって敵を穿つーー」


 ロードの詠唱が始まるとともに一刀、レオ、不知火がエルダーに向かって走り出す。すでに一刀のスキルで擬態を看破されているエルダーは地面から根っこや枝を出し迎撃準備は万全のようだ。まあ、一刀とレオには一撃たりとも攻撃を通すつもりはないがな。


「 ーー赤き炎は決して破れず昇る炎は火竜の如き〈連続詠唱 炎九連〉】」


 魔術の行使に関してはロードには敵わない。軽々、炎魔術を9種発動させるとは恐れいるな。私は6種類で限界なのでロードがどれ程までにその思考能力が優れているのかが分かるだろう。

 ロードが発動させたのは一定時間火属性攻撃を強化する〈ファイヤーアーマー〉、次に発動する火属性攻撃を強化する〈ハイファイヤーアップ〉、炎の鎖で敵を拘束する〈ハイファイヤーバインド〉、敵を炎の剣、槍、球で攻撃する〈ハイファイヤーボール〉〈ハイファイヤーバレット〉〈ハイファイヤーランス〉〈ハイファイヤーカッター〉〈ハイファイヤーソード〉、敵を炎の柱で包む〈ハイファイヤーピーラー〉だ。


 これだけの魔術を一回で行使できるのは......何回も語ることではないな。

 ロードが放った魔術がエルダーに当たる。魔術は射程が短いのが難点だがそれを凌駕する攻撃力と速度がある。これだけの攻撃を受ければエルダーとてただで済むわけなくHPを一気に3割程削り取っていた。


「そのまま進め!!ホーリープリズン......ハイエンチャント・グリーンダウン......ホーリープリズン......ハイエンチャント・ブラウンダウン......ホーリープリズン」


 私もエルダーの攻撃が一刀たちに届く前に一刀たちの直線状の左右にホーリープリズンを3つ配置する。

 普通ならリキャストタイムがあって連続で同じアーツを使うことはできないが基本的に光と闇魔術はリキャストタイムが異様に短いので成り立っている。

 エルダーの攻撃は薙ぎ払いの攻撃が大半なので柱状に召喚されたホーリープリズンによってほとんどを防ぐことができている。地中からの攻撃も走っていれば当たることはないのでそのまま直進すればエルダーの幹に到達するも時間の問題だ。

 

「バイタルアップ......パーフェクトガード。お前らは俺の後ろに張り付いてこい」


 不知火がアーツを使い一刀とレオを連れてエルダーの本体まで突き進む。アーツの効果で体勢を崩されることなく進むことができているがHPの減りが早いな。適度にヒールを使っているがこれではタイムが伸びるだけだ。


「〈属性付与〉〈属性解放〉僕がエルダートレントンの攻撃止めるからゼロはみんなの火力を上げておいてね」


 聖がそういうと矢をつがえエルダーに向かって矢を放つ。MPが過剰に込められた矢は発射されると同時に周囲の風を巻き込み螺旋を描きながら高速でエルダーが振り上げた枝に突き刺さる。直後聖が使った〈属性解放〉によって矢に込められていた魔力が一瞬のうちに解き放たれ風属性の大爆発を引き起こす。

 次いで1矢、2矢とエルダーを襲い次々と爆発が起きる。そして不知火に攻撃を仕掛けようとしていた枝も爆風にあおられてその軌道を不知火から外す。


「ナイスだ、聖。一刀とレオは最大火力で攻撃しろ!!

【聖光が我らを照らし冥府が(きゅう)を呼びつける 極楽浄土 魑魅魍魎 天門に上りて獄門を睥睨す〈連続詠唱 攻麻攻混賢狂〉】」

 

 聖の攻撃に続け私も一刀とレオにはSTR上昇のバフをロードにはINT上昇のバフをかけ、エルダーにはパラライズとスタンをかけて行動不能にするがスタンはレジストされた。

 しかし判定に成功したパラライズにより数秒だけエルダーがその動きを止める。そこに一刀とレオがアーツを使いエルダーの幹を大きく切りつける。さらにレオにはバーサークをかけてSTRを大きく上昇させてあるので一回の攻撃でHPを1割近く削り取った。


 いまレオにかけたバーサークは対象のSTRを1.5倍にする代わりにVITを半減させると言うデバフでSTRを大きく上げたいのならエンチャント・アップよりも強化値が高い。最初はデバフに分類されるので味方にかけることはしなかったのだが検証した結果あの時のアイアンゴーレム見たく狂乱状態にならなかったので今は頻繁に使っている。


「ムーンスラッシュ!! まだまだ、ハイスラッシュ!!」


「俺も続こう。ハイスラッシュ、ハイステップ、ハイピアーシング」

 

 レオが大剣を下から上に向かって切リつけ、さらに追加で横薙ぎに剣を振り払う。それに続くように一刀もエルダーに攻撃をし、地中から攻撃を仕掛けてくる根っこは軽くステップを踏むことで回避をしエルダーから離れず攻撃をし続ける。さらにはロードの魔術と聖の矢も飛んできてエルダーに直撃する。

 この間にも私は連続詠唱をすることで〈白黒〉の効果を上げつつエルダーにデバフをかけていく。〈白黒〉により召喚された十字架が増えるごとに格段にエルダーに与えるダメージが上昇していきーー


「〈属性付与〉〈属性解放〉ハイヘビィショット」


 最後に聖が放った矢に貫かれエルダートレントンのHPは全損するのであった。


「ゼロ、今のは何秒だったんだ?」


 エルダーを討伐し全員が集合すると不知火が尋ねてくる。私はそれに答えるようにウィンドウを全員が見えるようにし計っていた時間を表示させる。

 するとそこには『27.35』で時間が止まっていた。


 つまりエルダーの討伐に30秒を切れたというわけか。だが、結構ギリギリだな。あと少し遅ければ30秒を過ぎていただろう。それに反省点は多々ある。まあ、またタイムアタックするときにでも改善していこうか。

 今はこいつらと楽しんで狩りをできればそれでいいさ。


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