表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第三項 森林の街
114/378

エルダートレントン その3

〈戦闘が終了しました〉

〈視覚強化のLVが上昇しました〉

〈聴覚強化のLVが上昇しました〉 

〈嗅覚強化のLVが上昇しました〉

〈感覚強化のLVが上昇しました〉 

〈斬撃強化のLVが上昇しました〉 

〈刺突強化のLVが上昇しました〉 


「お疲れ様~。こんなに早くエルダートレントンを倒せるなんて思わなかったよ。それにゼロが本当に前で戦うなんて少し変で笑っちゃった」


「失礼なやつだ。人が一生懸命戦っているのに笑うなんてな」


「もう、すねちゃって。でも前で戦ってるゼロもかっこよかったよ」


 新しいスキルもレベルが上がったし、出だしとしては順調だ。それにしてもなぜこうも恥ずかしい言葉をなんの躊躇いなく言えるのか不思議でならない。こいつは誰にでもこんなことを言うから変な事件に巻き込まれないか不安になる。


「エルダートレントンの枝、ドロップした?」


 アルの言葉にインベントリを見ればそこに入っていたのは〈トレントンの小枝〉であった。アルも私と同じドロップアイテムだったようなので目的のアイテムは落ちなかった。確か〈エルダートレントンの枝〉のドロップ率はそこまで低くはないはずなのであと数体倒せばドロップしてくれるだろう。


「残りもさっきと同じように戦うぞ」


「はーい。任せて」


 エルダーのあぶり出しはアルに任せて私は切れかかっているバフの更新を始める。今度はエルダーにできるだけダメージを与えないように私にはSTR上昇のバフをかけないようにしておく。次は避けるだけでなく剣で攻撃を捌くことを意識してやるか。

 剣で戦うならいかにして衝撃を往なすかが課題だ。剣の腹で受けてしまえば衝撃を殺しきれず吹き飛ばされてしまうし、叩き斬るのもヤツのHPがもたない。なので相手の攻撃の軌道をわずかに逸らす。これが最適解だろうか。結局は素手でやっていることと何も変わらない。


「あたり! 今度のエルダートレントンは少し大きいから気を付けてね」


 アルの言葉通り今回のエルダーは全長20メートルほどありそうだ。なんの脈絡もない話だが20メートル越えの化け物がいる世界など考えるだけで恐ろしいな。力を持たない一般人は碌に外も出歩けないのではないだろうか。......今はそんなこと考えている場合ではないな。

 剣を握り直しエルダー目掛け走り出す。突き刺すように伸ばされた枝が私を貫こうと迫ってくる。


 避けるな。見極めるのだ。突きならば横からの攻撃には弱い。


 守之術理 流水


・・・


・・



〈戦闘が終了しました〉

〈視覚強化のLVが上昇しました〉

〈聴覚強化のLVが上昇しました〉 

〈嗅覚強化のLVが上昇しました〉

〈感覚強化のLVが上昇しました〉 

〈斬撃強化のLVが上昇しました〉 

〈刺突強化のLVが上昇しました〉


「エルダートレントンの枝、出たよ。そっちは?」


「少し待て。お、こっちもドロップしたがレア枠の方みたいだ」


 エルダーと戦うこと4戦目で二人とも目的のアイテムがドロップした。戦闘の方は最初に比べれば剣を使っても戦えるようにはなった。だが、バフをかけないとヤツの枝での攻撃に剣が押し返されそうになってしまう。それが今後の課題かな。パラメータを上げれば解決するのだができるなら技量で解決したい。

 それとアルは私たちが求めていた〈エルダートレントンの枝〉をドロップしたようだが私はその一段上のアイテム〈エルダートレントンの大木〉を入手した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

エルダートレントンの大木 一般級 ☆5

エルダートレントンの大木。加工が難しく熟練者になれるかの登竜門


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 〈解体Ⅱ〉のおかげでレア度も上昇している。これならレア度が3よりは良いものが作り易くなるのではないかな。それにアルがドロップした枝よりも明らかに大きいのでもう一本追加で作ってもらうのもありだ。


「あと1レベルでLV30になるからよかったらもう少し付き合ってくれないかな?」


 アルももう少しでLV30か。それならまだ付きやってやらんとだ。生産職の職業が上位になるのは私にとってメリットしかないからな。本当だったら知り合いの生産職を全員キャリーしてやりたいがさすがにそれは彼らもゲームを楽しめないので自重している。

 レベル上げだって他人の手を借りずに自分の力でやった方が楽しいからな。そこは私がでしゃばるとこではない。アルのように頼まれたら時間が許す限り手伝うけどな。


「このままエルダートレントンが相手でも大丈夫か?」


「もちろんだよ。エルダートレントンのドロップアイテムもまだまだ欲しいしなにせゼロがいるからね」


 標的がそのままでいいならやることはさっきと同じだ。アルがエルダーを釣ってそれをただ狩るだけだからな。余裕があったら素手で戦うことも試してみようかな。エルダーのモーションにも慣れたので、できないことはないだろ。それに困ったことに片手剣の耐久値も結構ヤバかったりする。

 片手剣の扱いが下手なせいで余計なところで攻撃を受けてしまい耐久が一気に減ってしまった。適当に買った剣なので壊れることは問題ないのだが戦闘中に壊れるのは勘弁してほしい。


「それじゃあ、はじめるよー」


 アルが矢を撃ち次々と樹に攻撃を加えていく。若干自然破壊な気もしなくはないがここいらの樹は生命力が高くすぐに再生するので気にしなくてもいい。トレントンを見つける手段としては一番簡単なので仕方ないよな。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ