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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第三項 森林の街
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木工師 アルポール

 教会から歩くこと30分でスキルショップにたどり着いた。生産職ギルドはどうした? という質問は受け付けない。まずは新しいスキルが増えているかの確認だ。鉱山の街でもチュートリアルでは選択できないスキルがあったのでこの街にもある可能性が高い。

 金ならあるのでいいものがあれば買ってしまおうとの魂胆だ。ちなみに私が欲しいものは魔力に関する補助スキルだ。前に読んだ書物に書いてあった〈魔力支配〉〈魔力固定〉と言った、いかにも強力そうなスキルがあればいいなと思っている。


 さすがにこれらのスキルは売ってないだろうが〈魔力支配〉などは統合スキルの可能性があるので魔力関係のスキルは取っておきたいのだ。それにスキルはいくらあっても邪魔になることはないしな。いや、ステータスは見づらくはなるか。

 とにかく、そういうことなので生産職ギルドに行く前にここに寄ったわけだ。


 ドアを開けて店内に入る。どこのスキルショップも内装は同じなのだろう。まず最初に所せましと並べられたスキルの書が目に入る。スキルが多いのは分かっているがこれだと探しづらいのでもっと整理するべきだと思う。それなのに店員はしっかり場所を覚えているので感心するよ。

 そんなことはどうでもいいんだった。まあ、内装は大量の本棚とその奥にアンティークなカウンターがあるだけだ。そしてそこにここの店員が座っている。今までは女の店員だったのだがこの街は男みたいだ。


 看板娘は若い子じゃないと務まらないと思うのだがこの人だけで儲かっているのだろうか。少し気になってしまった。考えても仕方がないしそもそも男の店員など興味がないのでスキルを探すことを優先しよう。

 やっぱりほとんどのスキルはチュートリアルで習得可能なものだったがその中には新しいスキルが結構あった。だが、私が欲しかった魔力系の補助スキルは売っていないようだ。その代わり〈メタモルフォーゼ〉の下位互換らしきスキルを見つけた。


 それが〈早着替え〉〈瞬間武装〉〈装飾変換〉でそれぞれ防具、武器、アクセサリーを瞬時に変更することができるスキルだ。多分これらを全て習得することで〈メタモルフォーゼ〉に統合されるのだと思う。そのためこれらのスキルを買っても意味がないだろう。

 なので、他のスキルを購入したのだが金に余裕があったから今回も大量に買ってしまった。まあ、使えるスキルなので良しとする。


〈視覚強化を習得しました〉

〈聴覚強化を習得しました〉

〈嗅覚強化を習得しました〉

〈感覚強化を習得しました〉

〈打撃強化を習得しました〉

〈斬撃強化を習得しました〉

〈刺突強化を習得しました〉


 今回買ったスキルは7個で合計で100万バースほどだ。これでスキルショップには用がないのでスキルの詳細を確認しながら生産職ギルドに向かう。


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〈視覚強化〉

視覚をわずかに強化する


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〈聴覚強化〉

聴覚をわずかに強化する


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〈嗅覚強化〉

嗅覚をわずかに強化する


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〈感覚強化〉

感覚をわずかに強化する


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〈打撃強化〉

打撃による攻撃をわずかに強化する


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〈斬撃強化〉

斬撃による攻撃をわずかに強化する

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〈刺突強化〉

刺突による攻撃をわずかに強化する


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 補助スキルというだけあって単純に強化するだけだ。だが、その恩恵は計り知れない。私が愛用しているパラメータ上昇系のスキルなどがそのいい例だ。最初はほとんど効果を感じられないが育てれば今後大いに役立ってくれるだろう。

 それと打撃・斬撃・刺突強化を習得したのは武器スキルのアーツが使えないため少しでも素のダメージを上げるためだ。


 この街で売るくらいだったら鉱山の街でも売っておけよ。とは思わないでもないがそれは言ってはいけないことなのだろう。修行の件がなかったらこの街は素通りしていた可能性があるからな。いやらしい罠だ。まったくけしからん。

 てな感じで歩いていれば生産職ギルドについたのですぐにギルドの中に入る。ギルドの内装は特に語ることもないので割愛するがこれがまた人で溢れている。これが現実だったら熱気がすごそうだ。


「アルはどこにいるかな? ロビーで待っていると連絡が来ていたが」


 先ほどフレンドメールですでに待っていると連絡が来たので急いできたのだが人が多いと探すのも一苦労だ。ゴルジアナさんみたいに目立つ人ならいいのだがアルは160cmには届かないのでこの中から探すのはしんどい。

 白髪で肩まで髪が伸びた女性を探せばいいのだが困ったことに白髪のプレイヤーが意外といる。もう、めんどくさいので一発魔術でも打ち上げるか?


「あ、いたいた。こっちだよ!」


 しびれを切らしてライトを行使しようとしたら後ろから声をかけられたので振り向けば爛々と輝く赤色の瞳を持つ女性が手を振っていた。どうやらアルが先に私を見つけてくれたようだ。

 私を呼ぶときにずいぶん声を張ったせいか周りのプレイヤーから視線が集まるがそんなものはどうでもいい。それより早く武器を依頼してトレントンに会いに行きたい。

 

「会って早々で悪いが武器の依頼をしたい」


「大丈夫、大丈夫。ゼロの用件は分かってるよ。内容を詰めるために生産施設に行こう」


 アルの言葉に頷き彼女についていく。生産場所に行くのは久しぶりだ。彼女たちがクランを設立する前はよく通ったものだがクランに所属してからはクランハウスの談話室で商談などをすることが多くなったからな。クランハウスはいいものだ。私もクランを立ち上げたらクランハウスを作りたいと思っている。

 アルが受付でカギを受け取り生産施設に向かうのを追いかける。生産職ギルドはかなり大きく生産施設も何百部屋とある。それもそのはずで一人一部屋借りることができるからだ。それもほとんどの職業に対応した施設があるのでそこらにある工房よりもひょっとしたらいい設備かもしれない。

 まあ、私には関係ない話なのだが。


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