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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第二項 鉱山の街
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魔獣 バトルホース

「さあさあ、こちらでございます」


 店主に言われるがままついていくとそこには大量の動物がいた。店の裏側はこんな風になっていたのか。表からは分からなかったが意外とでかかったのだなこの店は。


「先ほども申し上げた通りいい馬が入っておりましてね。こちらがその馬でございます」


 そういって店主が指さした馬は全身が黒い毛で覆われた3メートルをも超える大型の馬であった。


「......これは相当でかいな」


「もちろんですとも。なんて言ったってこの馬は魔獣であり競馬にも出馬できるバトルホースですからね。そこらの原種の馬とは比べ物になりませんよ」


 魔獣か。それならこのでかさになるのも頷ける。それにしても立派な馬だ。私も乗馬の経験があり馬の扱いには慣れているがさすがにこれほどまでにでかい馬には乗ったことがないので上手く手綱を引けるか心配だ。


「確かにこれなら原種になど負けんだろう。ちなみにいくらだ?」


「そうでございますな。これほど立派なバトルホースになりますと最低でも2,000,000バースになります」


 結構高いな。だが、払えなくはない。


「ちなみに原種だといくらになるんだ?」


「原種ですと1,000,000バースほどですかね。もしやバトルホースをやめて原種にいたしますか?」


 店主に案内され今度は原種の馬を見る。だがバトルホースを見た後ではどれも頼りなく感じてしまう。これも店主の策略だろう。やっぱり原種よりも魔獣の方がいい。今後、旅についてきてもらうことを考えると強い方がありがたいし決まりだな。


「店主、バトルホースを買わせてもらう。何か注意事項はあるか?」


「お~、決断が速い方は好かれますよ。それと注意事項ですが魔獣と言えど召喚士が召喚する魔獣とは違い魂のつながりがありませんから死ぬときは死にますのでご注意を。それからコイツの世話ですが街中の宿屋に預ければ問題ありません。

 もちろんお客様が世話をしてやるのもいいかもしれませんがどうやらお客様は旅人の御様子。そこまで時間はないでしょう」


 馬の世話は面倒だからな。このゲームは無駄にリアルなところがあるのでその手間が省けるのはありがたい。


「ほら、こちらがお前の新しいご主人様だ。挨拶をしなさい」


 店主が連れてきたバトルホースが首を下げ、私の手の甲に鼻を近づけ匂いを嗅いでくる。少しくすぐったいがこれが馬の挨拶だしな。その後、バトルホースは満足したのか鼻を鳴らして私を見る。

 かなりでかいが瞳はつぶらで意外と愛嬌があるじゃないか。


「これからよろしくな。それとこれからお前の名前はラピドゥスだ」


 バトルホース改めラピドゥスの首を優しくなでる。本当は毛が黒いからクロにしようかと思ったがあまりにも安直だったのでやめた。


「それでは会計の方ですが即決してくださったので2,000,000バースにしておきます」


 店主が取り出した装置に冒険者カードをかざして料金を払う。これでまた貧乏生活の始まりか。当初の予想では高くても1,500,000バースで収まると思っといたがこんないい馬を見せられては仕方がない。

 金はまた貯めればいいがバトルホースは今買わないと誰かに買われてしまうかもしれないので迷ってる暇などなかったしな。


「ちょうどいただきました。それとこちらは呼び笛です。コイツを呼ぶときに使ってください。そこまで離れていなければお客様の下に駆けつけてきますよ」


 店主から小ぶりな笛を受け取り店を出る。もちろんラピも一緒にいるぞ。流石に街中では乗馬しながら進むことはできないので手綱を引いているが街を出たら思いっきり走らせてやろう。

 それと店主から〈騎乗〉のスキルの書も貰ったので習得しておいた。これがあれば乗馬しながらの行動に補正が入るようだが私はラピを戦闘に出すつもりはないのであんまり意味がないかもしれない。ただ、移動するだけでもレベルは上がるから少しは役に立つかな。


 ラピはペット枠に入るからHPがなくなることはそのまま死に直結するので私がいつもやっている無茶な戦闘には出せない。それにペットはパーティー枠に入らないから全員が乗馬しながら行動することができるが経験値を獲得することができないからレベルも上がらない。

 まあ、移動する分には何の問題にもならないけどな。


 ああ、それと言い忘れていたが魔獣とは原種が魔素の影響で変質した生物のことをいい魔素を吸収することで強くなる。なので魔素の塊である魔石を与えると強くなると店主に教えてもらった。だがこれにも上限はあるので無限に強くなるわけではないみたいだ。


 これで街でやることは終わった。後はラピとの散歩ついでにゴーレムの魔石狩りだ。そのためにも一旦街の外に出るか。今日中には師匠からの修行も一段落つけたいところ。それが終われば次は森林の街だ。

 既に一刀たちがいるので私も追いつきたいところではある。むこうは聖たちの装備を作るためにトレントン狩りをしているようだが相性的にロードの独擅場になっているみたいだ。そのおかげで大量のトレントンを倒せてると報告された。

 しかし、ほとんどのパーティーメンバーが月曜から会社に行かなければならないのでこれからの効率は落ちていくから早く来てくれとも連絡が来ていた。

 

 私もあいつらとパーティーを組んで狩りをしたいがそれが叶うかどうかは師匠の気分次第といったところか。


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