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5日目
五日目の朝です。
宮殿の中庭で馬を走らせていた王様は、馬丁に馬を返しながらラティフに言いました。
「昨夜は話も面白かったが、歌がとてもよかった。今夜も彼に歌ってもらえないだろうか」
「申し訳ありません、王様。朝食の魚の骨が刺さってしまったとかで、彼は声が出なくなってしまったそうです」
そうして娼館の少年は、本に花を挟み、手鏡で身だしなみを整えてから香水瓶は胸のあわせにしまい込んで、颯爽と宮殿から立ち去りました。
夜になりました。
王様が案内されたのは、踊り子の部屋でした。
「お前が毛皮を着て踊るさまは、きっと美しいのだろうな」
王様が言うと、踊り子は、
「ええ、もちろんですとも。いただく毛皮にきっと見劣りしません」
そう言って、踊り子は宝石を産む鶏の話をしてくれました。