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4日目
四日目の朝です。
ラティフが並べてくれた朝食は、焼いた肉のはしが少し焦げていましたが、王様はそのようなことは気にしません。機嫌よく王様は言いました。
「昨夜は面白かった。話に出てきたような剣士は我が国の軍にもいるだろうか。手合わせが出来たらどれほどいいことだろう」
「兵士は国を守るもの。王様へ刃を向けるものではございません。代わりにわたしが盤上でお相手いたしましょう」
そうして普通の少女は、花と本と手鏡をひとつずつ大切に持って、宮殿へ一度お辞儀をしてから出ていきました。
夜になりました。
王様が案内されたのは、娼館の少年がいる部屋でした。
「今日がいいと、お前は手をあげたのかい」
王様が言うと、娼館の少年は
「毛皮なんぞあっても、すぐに脱いでしまいますから」
そう言って、娼館の少年は三人の魔人と契約をした男の話をしてくれました。