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3日目
三日目の朝です。
コックが作り、給仕が運んだ朝食を食べながら、王様は言いました。
「昨夜はよかった。一昨日よりはという程度だが」
「一昨日よりいいのなら、きっと明日はもっとよくなります。期待して待ちましょう」
そうして、宮廷楽団の青年は大切な楽器と共に花を1輪と本を1冊、小脇にはさんで、宮殿から出ていきました。
夜になりました。
王様が案内されたのは、普通の少女がいる部屋でした。
「明日にすれば、お前は香水瓶ももらえたのに」
王様が言うと、普通の少女は、
「香水瓶は欲しかったけれど、父と母が家で待っていますので」
そう言って、普通の少女は深い森の深い湖の底にある小さな王国の話をしてくれました。