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2日目
二日目の朝です。
服を着替える手伝いをしてくれるラティフに、王様は言いました。
「昨夜はそこそこだった」
「1人目は、まずその程度、と思うくらいがよいのです。ご容赦を」
そうして、貴族のお嬢さんは花を1輪賜って、宮殿から風のように去りました。
夜になりました。
王様が案内されたのは、宮廷楽団の青年がいる部屋でした。
「今日のほうびは花と本だけだが、お前はそれでいいのか」
王様が聞くと、宮廷楽団の青年は、
「花の咲きようと、本に綴られる物語で、じゅうぶんに音楽は奏でられますので、それ以上は結構です」
そう言って、宮廷楽団の青年は空と海の色の話をしてくれました。