表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

おっさん

作者: 木全伸治

俺は、あの3.11があった年の1月に脳卒中(脳内出血)で倒れて、病院に運び込まれて、緊急手術を受け、左半身に後遺症が残りましたが、何とか一命を取り留めました。

もし、アパートの自室など他に人目のないところで倒れて、いち早く救急車を呼んでもらっていなければ死んでいたか、もっとひどい後遺症を背負っていたことでしょう。リハビリで杖なしで歩ける程度には回復しましたが、軽い左半身麻痺のため舌の半分がうまく動かず、イベントの予約電話とかでうまく名前が相手に伝わらないことも多々あり、温かい缶コーヒーを左手で持つと異様に熱く感じたりする感覚異常が残っています。単純に言えば障害者です。

倒れた直後は、早く退院して、ゲームのシナリオライターの仕事をという思いが強かったのですが、左半身が自由に動かず、東京の病院から両親のいる名古屋の病院に転院し、リハビリを続け、しばらく階段の上り下りが、うまくできなくて、とりあえずひとりで歩けるようになってから退院しました。

脳卒中の後遺症は、脳細胞には毒である血液が脳内に回ったためのもので、脳細胞は再生しないので、完治はありません。せいぜい、動きの悪い肉体をリハビリという名目で鍛えて、動けない部分を補佐させるだけで、俺の場合は、左足がダメな分、右足が頑張り、左手で細かい作業ができない分、右手のみでキーボード操作をしています。

足が悪く、活舌も悪くなり、のんびりゆったりとリハビリがてら歩ける場所として、徳川園や名古屋城に、ここ数年、頻繁に訪れています。

そういうきっかけで、名古屋城で名古屋おもてなし武将隊に出会いました。

武将に顔を覚えてもらえるくらいに名古屋城に通うと、前の身体の織田信長公に「おっさん」と気さくに声をかけてもらえるようになりました。

ですが、そんな気さくに「おっさん」と呼んでいただいた織田信長公も、その呼び方を引き継いでくれていた陣笠の章衛門さんも出立されて、現在は新しい身体の織田信長公や新しい陣笠の方が、名古屋城に居ます。今の方々が嫌いというわけではありませんが、せっかく顔を覚えてもらい、気さくに「おっさん」と呼んでいただいた方々が、名古屋城からいなくなってしまったのは、寂しいものです。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ