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ネフェシア
「鍵ちょうだい」
「命令しないでよ、遅れてきたくせに」
鍵と呼ばれる、別の場所へ移動するための装置のようなものは、調査員なら必ず携帯していて、新しい場所を見つけたときにその場所の記憶・転送を可能にしてくれるものだ。
私がネフェシアを発見したときも、これを携帯していたおかげでエルフとの交渉を円滑に進めることができ、こうしてウィルを迎えることもできた。
鍵を足元へおき軽く踏めば、青白い光とともにその世界への扉が開かれる。
ここから先は未承認の土地・ネフェシアである。
青白い光の先。
少しだけの眩しさを感じながら、ウィルは私の後ろに続いた。
「こりゃあ、見事だ」
「絶景としか言いようがないでしょ?」
その光の先にある世界は、まるでファンタジーの世界だ。
広大な自然、流れる滝、そして崖に聳え立つ家々、この場所を創造した人物は相当な変態だと思うほどだ。