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最弱職業は知識と発想で最強職業(仮)  作者: 余は猫である。
2/5

教祖の講話

全話から大分開いてしまいました。

読んでもらえると嬉しいです。

閃光の中、まるで飛行機の着陸のような浮遊感に襲われる。


突如として、浮遊感が収まり固い地に足がついた。

その時は既に目も眩むような閃光は消え去っていた。


神薙真桜は周りを見渡す。


周りには黒いローブをまとった人々が取り囲んでいた。


視線を自分の背後に向けると、同じように教室内にいた5人もいて、不安そうな表情を浮かべている。

唯一、陣内王我のみ平然とした表情を浮かべている。


黒いローブの集団の中の一人が前に進み、フードを外した。


「ようこそ、お出で下さいました、勇者様方。あなた様方は選ばれたのです、女神キルティカに。」


いきなりどこぞの教祖様ですかばりに語ってきた。


「いいですか。あなた様方はこの世界に召喚されたのです。女神キルティカが作ったと言われているこの世界に。あなた様方が召喚されたということは、女神キルティカの寵愛を受けたと言っても過言ではないのです。」


うん・・。やっぱり教祖様だね。

目が物凄く怖い。

骸骨のように痩せているが、目だけが爛々と輝き、喜々として女神のことを語っている。

これから彼の事を教祖様と呼ぼう。


それにしても変な単語が聞こえてきたな。


“召喚”


召喚ってあれか。

フ〇イナル〇ァン〇ジーでいう所のバ〇ムートさんとかイ〇リートさんとかの事か。

ふむ、状況から察するにラノベとかで今流行っている異世界召喚というやつに巻き込まれたのだろう。


その推察も確信へ変わる。


「要するにてめーらが俺らを呼び出して、何かと戦わせようってことか?」


延々と女神の話をしていた教祖様に王我が横やりを入れる。


「おぉ!その通りですぞ、勇者様方!さすが、女神キルティカの寵愛を受けるに値する方々だ。」


王我は素行は悪いが、頭は良い。

そもそも、私立天賦学園は、優秀な部類の進学校なので、元々頭がいい人が多い。

王我は特に頭が良く、学年でも成績だけで言えば2位をキープしている。

そう、2位をキープしているのだ。

王我にはどうしても勝てない相手がいた。

入学試験では主席合格だったため、入学式では新入生代表を務めるとばかり思っていた。

しかし、その通知は来ず、結局入学式を迎えた。

その入学式では、知らない奴が新入生代表として登壇していた。

そう、それこそが、神薙真桜だった。


王我の両親は両方とは会社を経営しており、いわゆる帝王学を小さいころから教え込まれていた。


“何事も1番でなければならない。”


小さいころから耳にタコが出来るくらい聞かされた言葉だった。


そのため入学式の一件も王我にとっては許せない出来事であった。


実は、真桜は中学でその類まれな才能を発揮しており、私立天賦学園の理事長の目に留まり、入学試験免除で主席として学園に迎え入れられていたのだ。


その日から王我は真桜を目の敵にしている。

ただの嫉妬である。


だが、学年2位を抑えるだけの実力があるため、状況の把握はお手の物であった。


「で、俺たちはどうすればいいわけ?」

「勇者様方にはこの後、ステータスの確認後、我が国の国王陛下に謁見してもらいます。」

「ステータス?」


西園寺弥園の口から疑問が零れ落ちた。


「おお。ステータス魔法をご存じないので?」

「知らないわよ!そんなステータスなんてゲームの中の世界みたいなものないわよ!」


弥園は突然の召喚に混乱しているのか、少々ヒステリックに返した。


「なるほど、なるほど。承知いたしました。げーむ?というのは分かりかねますが、恐らくあなた様方の世界にはステータス、ひいては、魔法の概念自体存在しなかったのでしょう。それでは、これからステータス、ステータス魔法についてお教えします。ここで立ち話というのも何ですから、場所を移動してもよろしいでしょうか?」


教祖様はそういうと俺たちの方を見やり、5人が軽く頷くのを確認した。


「ありがとうございます。それでは、お手数ですがこちらについてきて下さい。そこのあなた。紅茶と茶請けの準備をお願いしてもいいですか?」

「承知いたしました。」


そういうと歩き出した。

周りの黒いローブを来た人たちは、教祖様と俺たちが通りやすいように左右へと割れる。

俺たち5人が抜けると、後ろからぞろぞろとついてきた。


元々いた大広間のような所を抜けると、華やかに装飾がされた通路に出た。

通路はいかにも高級そうな大理石で作られ、至る所に細部まで彫刻がされている壺や、像などが置かれていた。


目的地についたのか、教祖様が立ち止まり扉を開ける。

教祖様に従い中に入る。


「勇者様方、どうぞこちらへお掛け下さい。」


教祖様の言葉に従い、着席する。

うん。流石見た目通り座り心地が抜群にいいね。


「もう少々お待ちください。もうしばらくするとお飲み物がご用意できるかと思います。」


「で、ステータスってなんなんだ?」


王我が聞く。


「そうですね。勇者様方の世界には魔法、という概念は存在しましたでしょうか。」

「ねーな。」

「さようでございますか。そうですね。まず魔法とは何かという所からお話いたしましょう。まずは魔法を見てもらった方が分かりやすいですかね。」


そういうと、立ち上がり俺たち5人の前へ進む。


「そうですね。何をみせましょうか・・・。」


コンコン。

その時、扉をたたく音が聞こえた。


「失礼します。お飲み物をお持ち致しました。」


先ほどの黒ローブが入ってきた。

お盆に載せた飲み物と茶請けを運ぶために近づいて来た。

その時、何もない所で、“引っかかったように”つまずいた。


「きゃっ!」


黒ローブが小さな悲鳴を上げながら転ぶ。

それと同時に飲み物と茶請けが宙を舞う。


「リバース!」


教祖様が何かを唱える。

そうすると、宙を舞っていた飲み物と茶請けが時間を遡るかのようにお盆へと戻っていった。


「フロー」


教祖様がまた何かを唱えると、お盆が宙に静止していた。

指でお盆を操作すると、お盆が動き、机の上へと着地した。


「勇者様方申し訳ありません。お見苦しい所をお見せしました。後でちゃんと罰しておきますので、どうか、お許しください。」


そういうと後ろの方を見やり、頷く。

数名の黒ローブが転んでしまった黒ローブの女性へ近づき、部屋の外へと連れて行った。


「あまり、ひどい事しないであげて下さいね。」


菊入桃花が教祖様に対してそういった。


「おお!勇者様はお優しいのですね!」


桃花の言葉に明言をせずに返答した。


「さて、話がずれてしまいましたが、今のが魔法というものでございます。これから簡単に説明をしましょう。黒板をここに。」

「承知いたしました。」


黒ローブの中の一人が黒板を運んできた。


教祖様は黒板に、5つの属性魔法を書いていった。

四角形上に書かれた属性は左上の位置から時計回りに火、風、土、水と書かれていた。


「いいですか。属性魔法にはここに示した4つがあり、お互いに影響をしあっています。例えば、火と風の関係ですが、風は火に更なる力を与えると考えられるため、火は風よりも上位と言えるでしょう。しかし、水は火を鎮めます。このようにお互いが影響をし合い属性魔法のバランスが取られています。」


ここで言葉を区切り、俺たちの方を見渡す。


「勇者様方にはこの後ステータスを確認してもらい、どのような魔法をお持ちか確認していただきます。通常は一人、1魔法が普通ですが、勇者様方になると2つ3つというのが多いそうです。」

「おぉ!早く確認しようぜ!!」


三上一生がはしゃいだ声をあげる。召喚された、と分かってから一番目を輝かせて色々見ていたから、恐らく異世界転生とか召喚とか、そういうラノベ系が好きなのだろう。さらに冒頭で見せられた魔法に興奮しているのかもしれない。


「ほっほっほ。魔法にご興味を持っていただけましたかな。ここで確認をしたいのですが、残念ながらまだ説明が終わっていないのです。」


そういうと、黒板へ向き直りいくつか書き足した。


「先ほど書いた属性魔法はいわゆる基本的な魔法になり、100人に1人は何かしらの属性魔法を有しています。しかし、この光、闇、時魔法は希少性が高く、10万、いや100万人に1人といった確率でしか発現がしません。さらにこれらは先ほどの属性魔法と違い、優劣関係がなく、互いが優と言われております。僭越ながら先ほどお見せした“リバース”という魔法も時魔法に分類される魔法にあたります。」


説明がひと段落したのか、飲み物に口を付け一息つく。

それに倣い、飲み物に口を付ける。

レモンティーのようで、口の中に甘すぎない心地よい柑橘系の風味が広がる。


「あと、参考までにですが、無属性という属性もあります。この属性はそれぞれがユニークな魔法を有していると言われていますが、ここ数千年は記録すら残されていない状況になっております。」


飲み物のカップを置くと、一度手を叩いた。


「さて、それではそろそろ本題のステータス魔法について話しましょう。ステータス魔法とは、名前、年齢、種族、レベル、職業、スキル、魔法、犯罪歴などを視覚化する魔法となっております。そうですね。一先ずお見せしたほうが良いでしょう。勇者様方、お手数ですが、私の後ろに立っていただけますか?」


その言葉に従い、教祖様の背後に立つ。


「それでは、ステータス魔法をお見せしますね。ステータスオープン。」


教祖様の目の前に半透明なプレート上の物が現れた。


「勇者様方、これがステータス魔法です。よくご覧になってください。」


**************

名前:クラディス・エレバン

年齢:56

レベル:59 259300/590000

種族:人族

職業:教祖

魔法:時魔法、火魔法、風魔法

スキル:神の声

犯罪歴:強要罪(未検挙)

**************


・・・うん。もう何から突っ込んでいいのかわからないね。

やっぱ職業“教祖”なんだね・・。

スキルで神の声とか、もう超天職じゃんね。

しかも犯罪歴で強要罪で未検挙って。


周りを見渡すと、流石に王我たちも呆れ顔だった。


「さて、勇者様方にもステータス魔法が何かということを理解していただいたようですし、そろそろあなた様方のステータスを見てみましょう。」


いよいよ自分たちのステータスを開く時が来た。


最後までお読みいただきありがとうございます。

あんま期間を開けないようにゆるーく書いていこうと思います。

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