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弟なヤツ  作者: ふじたま
3/6

第三話 鈍いヤツ

間あけ過ぎですね…ι

すみません


こんなヤツですが見捨てないでやって下さいマセ(笑

みーん みんみん みーん…



夏です。夏休みです。


夏休みと言えば…

海にプールにスイカ割り…

花火大会に夏祭り…

楽しいイベント目白押しで…


朝寝坊… 夜更かし 睡眠パラダイス♪


…な ハズ…

…ですよね?



なのに… 何故?


私は朝っぱらから勉強なんかしてんのよ〜!




「姉さん…。手が止まってますよ…」


私をこんな状況にした元凶… シュウがシャーペンを動かす手を止めて言う。






――朝――


―コンコン


―コンコンコンコン


ガチャ



「姉さん…。いつまで寝てるつもりですか…?」



「ん…?何ぃ〜?シュウ…?いま…何時ぃ?」



夏休みに入り 朝寝坊する気満々で 昨日遅くまでマンガを読み漁っていた私。

当然起きれる訳も無く…。




「もう9時ですよ…。

一体何時まで寝てるつもりなんですか?」



ちょっと呆れたような口調でシュウが聞いてきた。


「9時っ?!まだ朝じゃん…。昼まで寝るつもりだったのにぃ〜。

なんで起こすのよ〜」


あぁ… 眠い…

眠すぎる…



再び 枕に顔を埋め二度寝の体制を取る私…。



「ちょっと…姉さんっ!起きて下さいっ」



シュウが近寄って来て枕を奪って私のベットの脇に座った。



「昼って…。そんなんじゃ だらだらと一日が終わっちゃいますよ…。大体夜早く寝ないからいけないんですよ…」


…。

……近いから…ι


このまま寝たら 寝顔見られちゃうじゃん…。



一緒に暮らしてはいるものの コイツの事を好きだと意識してから どうも近くで顔を見合わせるのが恥ずかしい…



赤くなる顔を押さえつつ 仕方なく起きあがった。



「わ…わかったわよ〜。起きればいんでしょ。起きれば…。」



もぅ…。なんでコイツはこんな真面目なのよ〜。

夏休みくらいハメ外せっての…。



ぶつくさ言いながらやっと起きた私に…



「では、着替えたら下に降りて来て下さいね。

あっ!朝食を食べたら勉強ですからね。朝の涼しい内に勉強しないと…」



…と 堅物くんシュウの一言。



ゲッ 勉強〜?!

…ありえない。



来年は受験だし 今年は遊びまくろうと思ってたのに〜



ん?宿題?

もちろんそんなの後回し♪


…のハズだったのに…


なんでこうなるのさ〜?!


まぁ ヤツが口うるさいのはいつもの事だけど…。



でも 去年の夏休みはここまでじゃ無かったのに…



あぁ… そういやヤツ去年は受験生で朝から夏期講習に行ってて居なかったんだ…。



あぁ 平和な夏休み… かむばっく〜!




でも…

やっぱり シュウには逆らえないんだよね。

惚れた弱味ってヤツ?

ヤツに嫌われるのはイヤだし…。


何より逆らったら後が怖い…


お母さんも完全にヤツの味方だしね。




「おはよ〜」



しぶしぶ起きた私がリビングに入っていくと…



「おそようございます」



ソファで新聞を読んでるシュウしか居なかった。



「あれ?お母さんは?」



「母さんならもうパートに行きましたよ」



あぁ そっか パートね…。

…って事は コイツと二人っきり?


変に意識しちゃって 勝手に心臓がドキドキしだした。




「コッ コーヒーでも飲む?」



「えぇ、じゃあ頂きます。」



少し気分を落ち着けようとコーヒーを淹れる私。




「はい。どーぞ」



バサッと読んでいた新聞をたたみ、コーヒーを受け取ったシュウは



「ありがとうございます」


そう言ってにこっと微笑んだ。




うわっ 滅多に見れないシュウスマイルッ!

笑うと可愛いんだよね…。コイツ

うぅ…なんか照れる。


マンガに描いたら キラキラしたバックを背負ってそうな シュウの笑顔に焦った私は自分の分のコーヒーを落としそうになってしまった。



「うわぁっ」



「大丈夫ですか?姉さん。ほんとドジなんですから…しょうがないなぁ」



…。


誰のせいだと思ってんのよ…。

人の気も知らないで…


私を見ながら くすっと笑うシュウを見て


『あぁ やっぱり好きだなぁ』


なんて思ってしまう私。



かなりの重症なのかもしれない。

これが恋の病ってヤツ?




ねぇ シュウ…


私の気持ち知ったらどうする?


やっぱり迷惑…かな?




「食べ終わったら勉強が待ってますからね。早く食べちゃって下さい。」



私がこんな事思ってるなんてこれっぽっちも思ってないんだろうなぁ…。



なんかコーヒーがいつもより苦く感じた。






「姉さん…。また手が止まってますよ。」



「すみません…。」



こうしてシュウに起こされ勉強をするハメになった私。


当然 まだ寝ぼけて頭に勉強なんて入る訳もなく…。


ボーっとしながら 熱心に勉強しているシュウの横顔を見つめていた。



「僕の顔に何かついてます?」



うわっヤバい見とれちゃってた



「うっ ううん。ついてないよ。ただ…」



「ただ?」



「綺麗な顔してるなぁ〜って思って…。」



「なっ…。いきなり何言い出すんですかっ?!」




…あ。ちょと照れた?

可愛いとこあるかも…



「くすっ…照れてる?」



「くだらない事言ってないで勉強に集中して下さいっ」



誤魔化す様に声を上げるシュウ



「だってぇ…。眠くて頭に入んないよ…」



「分からないとこあった教えますから…。」


…年下に 勉強教えて貰う私って…ι


ちょっと悲しくなってきた。



…カリカリ。


しばらくシャーペンの音だけが部屋に響く




「あのさ…」



「なんですか?」



「明日の夜…暇?」


思い切って聞いてみた。


明日は…



「明日の夜ですか…?

あぁ明日は風紀委員で夏祭りの見回りをする予定ですが…」



「?…見回り?」



なによそれっ?!

一緒に行きたいなって思ってたのに…。



「えぇ…。夏休みだからって祭りで夜遅くまでハメを外さない様にと…。僕が提案したんです。」



この ド真面目男ー!!

私は心の中で涙を流す



「そっか…。頑張ってね。」



明らかに落胆した声を出した私に



「どうかしました?」


…なんて聞いてきた。


鈍感男め…。


普段は勘がするどいくせに 恋愛事になると 鈍いシュウ。



まぁ 気付かれても困るんだけどね。




「なんでもないっ」


私は 半分自棄になりながら 問題集にかじりついた。




「姉さんは行くんですか?」



珍しくシュウが手を止めて聞いてきた。



「そのつもりだけど…。シュウには関係ないじゃん。」


つい キツい態度を取ってしまう私


あぁ なんで こうなるんだろ…。



「誰と行くんですか?」



「…ひとりで」


問題集に目を向けたまま、ぼそっと答える



あ〜ちゃんは 彼氏と行くらしいし…。

シュウと行こうと思ってたので他の友達とも行く約束はしてなかった。




「じゃあ一緒について行きますね。

姉さんだけだと無駄使いしそうだし…。ドジやらかしそうで心配ですし…」



へ?



「だって見回りは?」


思わず顔を上げてシュウを見た



「見回りは20時からなのでそれまでですが…。」



「うんっ♪わかった」


やったぁ〜♪

心の中でガッツポーズしながら、我ながらいい笑顔で返事した。



「あれ?なんか機嫌直りました?

姉さんお祭り好きですね〜」




苦笑しながら 納得しているシュウ



やっぱ 鈍いなぁ コイツ…。

私はアンタと行けるから嬉しいのに…



まぁいいや 一緒に行けるんだし…



「ただし…きちんと勉強を終わらせないと行かせませんからね。」



うわっ やっぱり?



私は それから今までに無いくらいに必死に勉強した。



読んで下さりありがとうございます


次回は お祭りの話書く予定です。

なるべく早く書きます… 多分ι


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