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弟なヤツ  作者: ふじたま
2/6

第二話 説教するヤツ

前回分 間違いが何ヵ所か…ι

すみませんでした。


「ごめん…ι今日ちょっとまだ帰れない…。先に帰ってて…」


放課後 私はいつも一緒に帰っている友人に謝っていた。



「あ〜。反省文書かされるんだっけ?しかも弟に…(笑」


「うん…。アイツったら見逃してくれないんだもん。薄情なヤツ」


「まぁ…あのシュウ君だしね〜 見逃してくれるなんてありえないでしょ…」



シュウの真面目すぎる性格は校内では有名な話で、 影では

「堅物くん」なんて呼ばれていたりする。

ちょっとの校則違反でも厳しく取り締まるから 恨まれたり疎まれたりする事もあるみたい。


でも、人にどう思われても 自分の意見を曲げたりしない。

やっぱヤツは 強いんだと思う…。

ケンカが強いとかじゃなくて 心が…。



「まぁ…頑張ってね〜 私これからデートだし♪そろそろ行くわ…。」



「うわっ!いいなぁ〜。これからデートとか言ってみたい〜」



高校に入った時 たまたま同じクラスになった友人 あ〜ちゃんこと

「渡辺梓」

は サバサバした性格で 私がドジッたりすると 笑いながらもきちんとフォローしてくれる。

そんなさっぱりした性格で頼れるジュンちゃんが私は大好きなのだった。


あ〜ちゃんは今、年上の大学生と付き合っているらしい。

会った事はないけど写メを見せてもらった感じでは格好良くて大人な感じの人だった。


大人びたロングの髪で綺麗なあ〜ちゃんとお似合いで、並ぶとまさに美男美女って感じなんだろなぁ…。



「あんただって、愛しのダーリンと反省文デートじゃん」


「うわっ ちょっとダーリンって何っ?!しかも反省文デートって…。なんかヤダ」



「だって好きなんでしょ。シュウ君事…」


「うっ…うん」


「よしっ♪じゃあ頑張って来いっ」


あ〜ちゃんが私の背中をバシッと叩いた。


「頑張るって何を頑張れってのさぁ〜?ヤダなぁ…反省文苦手なのに…」


自然と溜め息がこぼれてくる。


「何って…あんたの魅力をアピッてシュウ君の心をガシッと…」



「あ〜ちゃん…私の魅力って何かなぁ…?」


はっきりいって 自分に魅力なんてもんがあるとは思えない…。

遠い目をしつつ あ〜ちゃんに聞いてみる。



「うっ… そ そういう事は自分で考えなさい。……うん。大丈夫だって、人間 誰しもどっかしら魅力はあるもんだわ…」



あ〜ちゃん… 微妙に逃げなお答えありがとう…



「無理だよ。アイツ恋愛なんて全く興味ないし…。しかも私の事ただの姉としか見てないよきっと…」


なんか自分で言っててなんだか悲しくなってくるなぁ



「う〜ん…でもシュウ君だって男なんだし…。……まさかっ?!あっち系なのかなっ?」


「え…?あっちって…?」


どっち?…なんとなく予想出来たけど、ちょっと現実逃避してみた…


「だから…男の人しか愛せない…みたいな?」


言いながら あ〜ちゃんはちょっと楽しそうに笑う。



「えっ!?シュウがっ!?そんなのヤダなぁ〜」


ただでさえ 手が届きそうもないのに…

もし そうだったら私が男に性転換するしか…




「なにを勝手に変な想像をしてるんですか…?」


「っ?!」


私があらぬ想像をして思いつめていると、背後から声が降ってくる。


「え…?シュウ…?アンタいつからそこに…?」


うわっ なんか変な汗出てきた。


「つい先程ですが…。というか姉さん何勝手に変な話してるんですか?僕にその様な趣味はありませんので…。そもそも今は恋愛などにうつつを抜かしている場合ではありませんし…」


はぁ〜 良かったぁ

とりあえず そっち系ではないのね…。

…って ちょっと待ったっ 今 さり気にショックな言葉を聞いたような…。


やっぱ 恋愛に興味なしか…。



喜んだり落ち込んだり 私が百面相をしていると あ〜ちゃんがシュウに声をかける。



「ごめんね。シュウ君。ちょっと冗談で言ってみただけだから…」


「言っていい冗談と悪い冗談があります。」


「はい…。…ごめんなさい。…で、その前の話は聞いてない…ですよね?」



あ〜ちゃんが話していてたじたじになるのなんて きっとシュウぐらいだろうな…

反論などさせないというような威圧感がシュウにはある。



「僕が来た時には今の話題でしたよ。

…このまま話させておくと良からぬ噂を立てられそうでしたので止めさせてもらいました…。

お話の最中にお邪魔しまして申し訳ありません。」


そう言うとシュウがぺこりと頭を下げる。



良かった…

シュウを好きって話はとりあえず聞かれてないらしい。



「いえいえ…。こちらこそごめんなさい。

…あっ!冬音。私そろそろ行かなきゃ…」



えっ?!あ〜ちゃん?このタイミングで帰っちゃうの?


「じゃあね〜♪」


あ… 行っちゃった。




「姉さん…」


呼ばれて 恐る恐る顔を上げる。



「なっ何かなぁ〜?」


なんてとぼけてみたけど…。うっ やっぱ怒ってますよねぇ?



「今後人の事を憶測で話したりしない様に…。人によっては傷つく人だっているのですよ…。」



「はい…。すみません」



「…で、姉さん。朝のでこピンの件ですが…。」


うあっ 覚えてたのかっ!?


「すみませんでした。」


「大体姉さんはいつも後先考えずに行動し過ぎなんです。もっと自分の行動に責任をもってですね…」


うわぁ〜 また始まっちゃった。こうなったら 私は ハイって言いながらひたすら頷く事しか出来ない…



「…ですので、今後気をつけて下さいね。」


「…はい」


ふぅ〜 やっと終わった。



「では、反省文。書けたら生徒指導室までもって来て下さいね」



おっ 鬼ぃぃ〜〜!



結局 私はこの日 どっぷり日が暮れる頃に やっと家路についた。

もちろん 帰り道の間中、反省文の誤字についてのシュウのお説教を聞かされたのは言うまでもなく…

読んで頂きありがとうございました。

また 書きたくなったら更新します。

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