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弟なヤツ  作者: ふじたま
1/6

第一話 堅物なヤツ

なんか無性に書きたくなったんです。


他に連載途中なのがあるのに 能力不足なくせに手を拡げちゃってすみませんι


こっちはまったり更新していく予定ですので…

気が向いたら読んでやって下さいませ

「姉さん。ちょっとどいてもらえませんか…?」


「無理〜!今使用中だもん」


「分かりました。ではもう結構です。」


…と 言うと自分の手鏡で身だしなみをチェックした後スタスタと玄関に向い



「では行って参ります。」


と、お母さんに向かってきちんとお辞儀をして家を出て行く男の子。


ヤツの名前は 倉橋(くらはし) 秀人(しゅうと)。16歳の高校1年生。いちおう私の弟だったりする。


…血は繋がってないんだけどね。

私とヤツとの初めての出会いは 遡る事今から10年前…。

私が7歳。ヤツが6歳の時だった。


私の母の再婚相手であり 現在私の父でもある『パパさん』の連れ子。それが 秀人だった。

初めてあった時のヤツの最初の一言。初めて交わした挨拶に びっくりしたのを覚えてる。


「はじめまして…。倉橋秀人と申します。よろしくお願い致します」


そう言って ぺこりと頭を下げた仕草はとても私と、そう年の変わらない少年のものとは 思えない程 異様に大人びた雰囲気を纏っていた。


私 この子とうまくやっていけるのかなぁ〜?

…と子供心に 当時7歳の私は不安になったりしたのだった。



「雪音〜!アンタいつまで鏡と睨めっこしてるのっ?!早くしないと遅れるよっ!秀人はとっくに出かけたってのに…」



おっと…いけない。昔を思いだしてたら ついボケっとしちゃってたよ。


母に怒られ、仕度する手を早め 急いで髪を整えた。



あっ!忘れる所だった 肝心な自己紹介がまだでした。


ん?誰に紹介するのかって?

…そんな細かい事気にしない気にしない(笑



私の名前は 倉橋(くらはし) 雪音(ゆきね)。17歳の高校2年。身長は平均。体重も平均……だと思いたい。因みに顔も平均…ι

というか…自分で自分を可愛いとか言える程の自信は持ち合わせてないし…。



一応 ちょっと偏差値高めな進学校に通ってたりするんだよね。

まぁ私の場合はギリギリ合格って感じだったんだけど…。



勉強嫌いな私が なんでそんな進学校を受験したかっていうと…


原因は ヤツだったりする。

ヤツと…

シュウと同じ学校に行きたかったから…。

シュウは 出会った頃から 頭もよくて何処か大人びてて、一言でいうと 名前の通りの秀才っていうヤツだった。


ヤツの秀人って名前は パパさんが付けたらしいけど、まさにその通りに育ってパパさんも本望だろう。



そのシュウは 小学生の頃から行きたい高校 大学 果ては、なりたい職業まで決めており 既に人生のビジョンってヤツをしっかりと見据えていた。


その高校が 現在私とヤツの通う 望海高校だったって訳。



…で なんで ヤツと同じ学校に行きたかったかっていうと…


うん… まぁ その…

ヤツが…シュウの事が好き… だからデス。


一体 いつから好きなのか自分でもよく分からない…。



でも 確か はっきり自覚したのは 中2の時だった気がする。


あれはバレンタインデーの日…。


中学に入って背も伸び 顔も少しひき締まって身内の贔屓目で見ても格好よくなったシュウは袋一杯のチョコレートを下げて帰って来た。




それを見て 私は ヤツが以外にモテるという事実にびっくりしたのと同時に、シュウを他の誰かに取られたく無いと思っている自分に気付いたのだった。



もし ヤツがそのチョコレートを渡した人の内の誰かと付き合う事になったら…

なんて考えると胸の中がもやもやした気持ちで一杯になった。



まぁ 当の本人は 学校にチョコを持ってくるなんて…。とか バレンタインなんてチョコレート会社の陰謀だ…とかぶつくさ言って 全然関心無かったみたいだったケド。



そんなヤツが学校でチョコなんか受け取る訳もなく…。

どうやら チョコレートは机や下駄箱に押し込まれていたりと無理やり渡されたものらしかった。


まぁ 無理もないかな…。ヤツに直接チョコを渡す勇気のある子なんてそうそう居ないと思うし…。



秀人は恋愛というものに興味がないらしく。 他人…特に女の子に対して、無愛想というか無関心というか…

自分から特に用がない限り話かける様な事は無かった。



その上 すごく真面目な性格で物事の倫理をとても重んじている。

要は堅物ってヤツなのだ。



とにかくとっつきにくいヤツ…。

だけど何故かモテるんだよね…。



眼鏡の奥の切れ長の目な目…。

それに時折 家族や友人の前で見せる無邪気な笑顔。どうやらそのギャップに女の子は惹かれるらしい。


そういう 私もそうだったりするし…



「雪音っ!アンタまだ居たのっ!?遅刻しても知らないわよっ」


ハッと母の声で 我に返ると…


ヤバッ 後10分しかないっ


雪音の家から学校まで歩いて20分かかる。


どーしよっ!遅刻したら 大変だよっ!



雪音は 急いで用意を済ませると 家を飛び出し 肩まである髪を揺らしながら走りだした。




「ヤバッ 間に合わなかった…ι」


ガシャン


急いでダッシュして来たにもかかわらず 私が門につく直前で無情にもチャイムがなり

風紀委員によって門が閉められてしまった。


ちょっとぐらい待ってくれたっていいじゃん…



私が半泣きになりながら肩ではぁはぁ息をしていると 背後から聞き慣れた声が聞こえた。



「だからいつももっと余裕を持って家を出た方がいいと言ってるじゃないですか…」


私がバッと振り返ると そこには見慣れたヤツの顔…



「丁度良かった…。シュウ。あんたなんとかしてよっ 今月これで3回目だから遅刻になっちゃうとヤバいのよ…」


ウチの学校では チャイムと同時に校内に入らないと遅刻になり毎日 風紀委員が門の所で遅刻者を厳しくチェックしている。

その上 月に遅刻や無断欠席を3回以上になると反省文を書かなくてはいけなくなるのだ。


「風紀委員長の僕が身内だからといって特別扱い出来る訳がないでしょう?そんな事では他の委員の方々に示しがつきませんよ。大体 姉さんは、いつもいつも…」


あぁ またいつものお小言が始まっちゃったよ… これ長いんだよね…ι


因みに どうして一年のコイツが風紀委員長なのかというと…

委員長を決める会議の時に何故かまだ一年である秀人の名があがり全会一致で決まったらしい。



真面目を絵に描いた様な奴だしなぁ。


風紀委員なんてぴったり過ぎ…



そんな事を思いながら 秀人の顔を見ていると…



「姉さんっ ちゃんと聞いているんですか?」


…と いきなり顔を覗きこまれた。



うわぁ… 近いっ近すぎっ いきなりすぎるよぉ…


自分の顔が赤くなるのが分かる。



「ん?姉さん?どうかしました?なんか顔赤いですけど…風邪ですか?」


なんて言っておでこに手を当ててくる。



「だっ大丈夫だからっι」


いきなり触って来ないでよぉ〜


普段一緒に暮していてもこういう突然の行動にはいつもドキッとしてしまう。



まぁ でも コイツはきっと 何とも思ってないんだろうなぁ…。



そう思うと何故か無性に腹が立ってくるし…


「エィッ」


なんかむかついたからデコピンしてやったら…


「いきなり何するんですかっ」


やっぱり怒られた。



「あははっ じゃあねぇ〜」


また 長いお説教が始まらない内に 私は校舎に向かって走って逃げ出した。



「後で反省文持って僕の所に来て下さいね〜」


…背中からなんか聞こえた気がするケド…ι

聞こえなかった事にしとこう …うん。

読んで頂き ありがとうございました。



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