ウミゾラ
二人は熱い砂浜に座っていた
真っ正面には鏡にでも映ったかのように青い空と海が並んでいた
雲一つ無い空にぽっかりと浮かぶのは白い帆をなびかせて進む船
透き通るような海には水面下をすいすい飛ぶ飛行機が見えた
君はだれ
私は君に尋ねる
君は小さく私であると答えた
私である君は緩やかに波打つ海へ歩いて行く
君である私がその後ろ姿に微笑むと君は波の泡と共に消えて逝った
私は空に映る太陽と海に沈む月をずっと眺めていた
いつまでもいつまでも
二人一緒に
ニンゲンって不思議でしょ
一つの身体でも
たくさんの心があります…