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プロローグ

今のところ私がすでに書いた小説の登場人物とは別人です。

 白。


 辺り一面を支配する白。


 絵具でべタ塗りしたかのような真白き世界。


 空も、大地も、町も。


 そして目の前の城も。


 どこからが境界線なのか判別がつかなくなる。


 まさか依頼人が指定した日時に大雪が降るなど予想もしていなかった。


 ろくに新聞を読めていなかったのがここで響いてくる。


 それは恐らくあちらも同じだろう。


 まったく、ついてない。


 数舜前までは確かにそう思っていた。


 しかし、この光景を見て考えを改める。


 眼前にそびえ立つ姫路城。


 またの名を白鷺城。


 雪が屋根瓦を覆いつくしたことで、まさにその名の通りの純白の輝きを放つ。


 ほう、とため息が出る。


 ふと自分の体に目をやると、ボロボロの袈裟を白が飲み込まんとしていた。


 かなりの時間見とれてしまっていたらしい。


 改めて城下町をぐるりと見渡す。


 偶に走る自動車以外に動くものはない。


 一見すると不自然な点は見受けられない。


 されど、術師だからこそ感じ取れる微かな(あやかし)の気配。


 確信する。


 かの神が潜むこの町は、決して俺を退屈させたりなどしない。


 少女はニカリと口角を上げた。

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