あふたぁ! その六
何となく思いついちゃったので。
「ふはははは! あやつやりよった!!」
大歓喜するご老人。彼は勇者の師匠だ。
なぜ、この様に大爆笑をしているのかと言うと、全世界に映し出された映像が原因。
映し出されていた物は、勇者が魔王に黄金と漆黒の魔力を剣に纏わせ、その魔力で螺旋を作り魔王を穿っているシーンだ。
「ドラグベイン……いや、其れよりも威力が高そうにみえるな! 我が流派の奥義の一つに……いやいや、二つの魔力を使うことが出来ない以上、有れを再現するのは難しいか?」
「老子……あれは二人以上いないと無理なのでは?」
「いやいや、二人で使うなど、隙だらけで使えぬ! 何としてでも個人で再現出来なければ!」
弟子たち以外の、普通の人が彼らを見れば泡を吹いて倒れるだろう。
何せ、映し出されている映像は勇者と魔王の大決戦。その様な映像であるのに、まさかまさか、勇者の使った技の再現をどうするかなどと言う会話をするなど。
「こうか? いや……こうだな!」
だが、流石勇者の師匠とでも言うべきだろうか。その様な事は全く気にせず、勇者の技を再現する事に没頭している。
いや、師匠だけではない。彼の周りにいる弟子たちもまた師匠と同じように、再現をしようと切磋琢磨している。
「おぉぉぉ! 二重螺旋は無理だが、魔力を一本で回転させることには成功したな!」
とんでもないご老人もとい師匠である。まさか、見様見真似で回転する魔力を再現するなど、到底人間業では無い。
その証拠……と言うのも可笑しな話だが、弟子たちは皆苦労をしているようだ。
「しかし……あの二つの魔力を回転させる……難しいな」
「老子……これは世代を重ねて研究する内容では?」
「何を言うか! あれをみて高ぶらぬ訳が無いだろう! 今すぐ使ってみたいじゃないか!」
叫ぶ老人。だが、その発言に対して、弟子もまた弟子だ。まぁ、確かにそうだよなぁ……と、全員が理解出来ると頷いている。
「何としても、あの技を会得せねば!」
燃える老人に引っ張られるように、弟子達もまた修練に明け暮れる。
彼らが勇者の技を再現出来る事は無いだろう。何故ならあれは、相反する属性……勇者の黄金と女魔族の漆黒が合わさったからこそ生まれた技だ。
到底、人には真似をすることなど不可能な……技と言うよりも、固有能力と言った方が良いだろう。
だが、属性は別として、同属性で二重螺旋を描く技であれば……もしかしたら、彼らであれば使えるようになるかもしれない。
「ふぅぅぅぅぅん! 回れ! 回るんだぁぁぁぁ俺の魔力ぅぅぅぅぅ!!」
ただ、この日から彼らの道場から叫び声が響き渡る事となる。唯一救いなのは……この場所が人里から離れた場所にあり、近所迷惑にならないと言う事だろうか。
ブクマ・評価・感想・誤字報告ありがとうございます!!
はい、これと同時に次回作もアップしますよ。
リンクは……多分上の方か下の方にあるかと! よろしければ見てやってください。とは言え、まだプロローグのみです。




