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二十四話

あけましておめでとうございます!!

今年もよろしくおねがいします

「私から行くわよ! ストーンウォール!!」


 狐のお面を着けた女魔族がそう叫ぶと、奴隷部隊と督戦隊の間に魔法で巨大な石の壁を作り上げた。

 督戦隊の中には石壁の作成時に巻き込まれ、空へと打ち上げられ「うわぁぁぁぁぁぁ…………」と叫びながら何処かへと飛ばされたが、それは些細な事だろう。


「さすが姉さん! 魔法の威力が半端ない!」

「ほら! 口より手と足を動かして!!」


 兄弟であるカルガモのお面を着けた男魔族の参照に、多少照れながらもさっさと動けと指示を飛ばす。ただ、勇者や男魔族からすれば、声が既に喜色を含んでいる事に気が付いているので、(あぁ……照れ隠しだな)と二人共が心の中で呟いていた。

 まぁ、口に出せばそれこそ、魔法が飛んでくる可能性もあるので二人とも一切それを言うつもりは無いのだが。


 それはさておき、狙い通りに奴隷部隊と督戦隊を別ける事に成功した勇者達だが、そのような状況に付いて行ける者は早々いるはずもない。

 壁が出現した事により、なんだこれは! と慌てるのは人間達。しかし、指揮系統が整っていないのか、一切混乱が収まる気配が無い。

 そして、奴隷部隊達。こちらもこちらで自分達は一体どうすれば良いか解らないといった様子で、完全に立ち往生している。

 獣人達はと言うと、前衛にいる者達は、何が起きた!? と言った感じで驚愕しており、事前に男魔族が話しを付けに言った相手以外の上層部はと言うと、「カルガモのお面を付けた奴の話は本当だった!?」と、急いで動こうとしている。

 当然だが、男魔族と関わりのある獣人はと言うと、「ほれ見たことか! だから言っただろう」と言う思いで一杯だ。


 とは言え、変化した状況が戻る訳も無い。これを機に分断に成功した奴隷部隊を助けるべく、前衛にいた獣人達は直に正気を取り戻し、命令を待つ事無く動き始めた。


 ただ、全く命令がなかったと言えばそうでは無い。男魔族と関わりのあった獣人が、前衛部隊に配属されて居る者の中で、信頼できる相手に事が起きたならば、すぐ動くようにと命令を出していた。

 恐らくその命令のお陰なのだろう。彼等は状況をみるやいなや、周囲の者に対して「今すぐ奴隷達を解放の為に動くべきだ!」と叫び続けた。

 

 そして、勇者達の思惑通りに戦場が動く。


 勇者と女魔族は混乱した人間側の軍に対して、上空から被害があるようで無いレベルの魔法を撃ち込んで行き、混乱が収束するのを防ぐ。

 男魔族はと言うと、獣人達に救助され始めた奴隷達の隷属解除の為に、彼等に接触し解除キーを教えながら、自らも隷属解除の手伝いをして行く。


 しかし、壁の向こう側でそんな事が起きていると全く思っていない人間達。

 彼等は、立った二名の空襲に対抗するべく、軍を纏め反攻作戦に出ようとするものの……勇者が「名将など居ない」と言ったのは間違い無い様で、纏めるべき将が我先にと逃げの一手を打っていた。

 そして、必死に纏めようとするのは、立った数名の……それこそ軍の中では名前すら知られていない者達。

 そんな彼等が部隊を纏め行動しようとした所で、誰が従うのだろうか? もし、彼等にしっかりとした役職があれば話は別だが、そんな現実は無い。


「なんと言うか……脆すぎないか?」

「指示を出す人が一番最初に逃げちゃったからね」


 正直、このまま放置していても人間側の軍は自然消滅するだろう。皆が皆バラバラに逃げ出す未来が確定している様なものだ。




 しかし、問題が無い訳では無い。此処まで圧勝した事自体は問題では無いのだが、その内容となればまた別。

 なぜなら、此処までの魔法を使えるのは、人間であれば勇者と〝勇者と共に育った場合〟の勇者パーティーか、もしくは魔人族達だ。

 獣人達にも魔法が得意な者達は居るが……さて、ここまでの石壁を作り上げて、空を飛び、魔法を調整しながら撃ちまくる事が出来るだろうか? 等と問われた場合、間違いなく無理だと返答が返ってくる。

 何せ彼等の得意な魔法といえば、遠距離砲撃などではなく、近距離から中距離かつ格闘術とあわせた様なモノが多い。

 なので、これは誰がやったんだ? と言う話になる。


「さて、後始末をどうするかだが……まぁ、アイツの伝手で獣人側は何とかなるだろうな」

「奴隷を助けたって言う結果があるしね。となると、如何にかする必要が有るのは人間側かな?」

「まぁ、普通に考えると……魔人と獣人が手を組んだと見られるだろうな」


 確かに手は組んだ。とは言え立った二名の魔人族だが。更にスパイスとして勇者も居るのだが、それに気が付かれる事は無いだろうと勇者は考えている。


 しかし、見て居る者は見ている。人間側に気が付かない者が居たとしても、獣人側に居ないと言う訳では無い。彼等の感性は実に鋭いものだ。

 当然だが、カルガモのお面を着用して居る男が、魔人族だと言う事などお見通しである。

 そんな手を貸した彼と全く雰囲気が違う男が、奴隷救助に手を貸した事を見ている。そして……その雰囲気の違いが、魔人でもなければ獣人出ない事も……


 勇者は見落としてしまった。気が付かれてしまったという事を。

 しかし獣人は恩を仇で返す真似はしないようで、仮面を着用して居るという事は正体がバレたくないのだろう! と考え、獣人達の禁書にのみこの戦いにて人間の勇者が手を貸してくれた事を記入。

 

 ただ、その内容が遠い未来暴かれる事になるのだが、今は秘密が守られるので問題は無いだろう。

ブクマ・評価・感想・誤字報告ありがとうございます!


レベル差はこの世界では戦力の決定的な差ですので……まぁ、三人も高レベルが揃えばこんなものです。

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