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下克上戦士~バケモノ師匠と目指せ打倒勇者~  作者: 水草
第3部 勇者学園イーロタニア
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8章 一難去ってまた一難

入学してからはや一週間。あれから特に問題に巻き込まれることない。


──友人が一人も出来ていないということ以外は問題は無い


だが心配はない。まだ一週間だ。ここで友人が出来なくてもチャンスはまだまだあるし、イベントがあれば必然と交流もあるだろう。


そう自分に言い聞かせて今日も一人で学食に来ている。昼飯を頬張っていると二人組が前の席に座った


「見てくださいっス、ローラちゃん。ジーンくんはまだ友達が出来ていないみたいっスよ。」

「えぇそのようねレイナ。全く哀れな存在ね。」


わざと俺に聞こえるように話すのはローラとレイナ。決闘のあと、レイナをローラに押し付けたがどうやら仲良くやっているようだ。二人して俺を馬鹿にしにくるのはどうかと思うが


「…ローラはともかくレイナは俺に貸しがあると思うぞ。そこのとこ、どうなんだ?」

「んぐぅ!?」


俺が問いかけるとビクッとするレイナ、その拍子に食べ物を喉に詰まらせたようで苦しそうに咳をする。ローラは苦しそうなレイナの背中をさすっている


「ゲホッゲホッ、今、ジーンくんのせいで喉を詰まらせ苦しんだのでチャラってことにしないっスか?」

「しねぇよ。」

「器の小さい男ね。そんなのだから友達の一人もできないのよ。」

「うるせぇ、そもそもそれはお前らのせいでもあるんだぞ?」


俺の言葉が理解できないというように首を傾げる二人


「俺は今、非戦闘職の女子生徒に決闘を申し込み、嬲り、別の女子生徒を捨てた最低野郎って噂になってんだよ!」

「事実じゃない。」

「事実っスね。」

「どこがだ!?」


実際俺は決闘を申し込まれた側だし、半殺しにされたし、捨てたわけでもない。


俺の望んだ平和な学園生活は早くも失われてしまったのだ。原因はもちろん目の前の二人だ


「正直俺はもうお前らと絡みたくない。用がないならどっかに行ってくれ。」

「そうはいかないわ。わざわざあなたに会いに来たのはお願いがあるからよ。」

「へーそうなのかー。」

「今度の実技演習、わたくしたちとパーティを組んで欲しいの。」


ローラの話しているのは王都近くの地下ダンジョンに三人パーティで潜る実技の授業のことだ。師匠には魔物との戦闘にも慣れておくように言われたから俺も受けることにしている。そしてまだ組んでくれる人がいないからこの提案はありがたいものだ。


俺は笑顔で返答する



「断る。」

「どうせ今のままじゃ組んでくれる人なんていないでしょう?」

「大丈夫だ、もし無理だったら今度個人的に潜るから。ほら、他のやつら誘いにいけよ。」

「ダメよ、他の人をパーティに入れたくないわ。」

「どうしてだ?」

「可愛いレイナを他の人の近くに起きたくないからよ!」

「……は?」


突如立ち上がり訳の分からないことを喋り出すローラ


「見なさいこの愛くるしい顔立ちを!もちっと柔らかい白い肌、見るものを和ませる優しい目!ちょっと抜けたところが最高に可愛いのよ!あらレイナ、頬に食べカスがついてるわよ。」

「ありがとうっス。」


ハンカチを取り出し慣れた手つきで頬を吹く。一見仲の良い友人同士に見えるがローラの目が危ない。呼吸も荒い


「で、なんで俺なんだ?」

「レイナがあなたならいいって言うからどうしても、仕方なく、いやいやよ。」

「そういうことっス。」


自身の昼食を食べ終えたレイナがようやく話に参加してきた。口の周りはソースで汚れており、ローラが丁寧に拭き取っている


「宿主と寄生虫というより母と幼児だな。」

「何か言ったかしら。それよりも返事は?」

「断る。」

「そこを何とかお願いするっス。」


俺が拒絶の返事をするとすぐさま土下座をかますレイナ。相変わらずの三下オーラだ。見事とも言える綺麗な姿勢の土下座に流石の俺も心を動かされ────るわけも無い


「断る。」

「ちょっと、レイナがここまでお願いしてるのよ!ここはOKするところでしょ!」

「うるせぇ!さっきも言ったがお前らと関わりたくないんだよ!何と言われようと断──」


「ねぇ見てよあそこの人。女の子に土下座させてるわ。」

「本当ね。確か一年生のジーンって言ったかしら、噂は本当のようね。」


動かされな────


「男として恥ずかしくないのかよ。」

「全くだ。あんな可愛い子のお願いを断るなんて死ねばいいのに。」


動か────


「処す?」

「処すか。」


「断ろうと思ったがそこまでされちゃ仕方ないな!パーティを組もう、いや組ませてくださいっ!」


周囲の空気を察し、身の危険を感じた俺はレイナと同じ土下座をかます。ちくしょう、なぜ世間は真実を知らないだろうか


「最初からそう言えば良かったのよ。じゃあ来週は頼むわね。行きましょうレイナ。」

「あい〜。じゃあジーンくん、またっス。」


嵐は去った。怒りを堪え立ち上がり、食事の続きをしようとし、パンとスープが無くなっていることに気付いた


「あいつやっぱり『盗賊』だろ…」


なぜ俺がこんな目に遭うのだろうか。溢れそうな怒りを深呼吸をして落ち着かせる


「ギルとニーナの方が大人しいぞ…」


食器を運び大きくため息を漏らす。俺の平和な学園生活はいつ訪れるのだろうか

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