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暗殺者

「アルス」そう子供は名乗った。

小さくてか細い、弱々しい貧弱な声。しかしながら覇気のある、芯の通った声だった。すると男は笑みを浮かべ

「ではアルス。私の元へこないか?」手を差し伸べてきた。「どうして僕に優しくしてくれるの?」アルスは心底不思議そうに尋ねた。こんな薄汚い子供に何を期待するのか、そう思うのは無理もない。それにこんな境遇の子供は腐るほど存在する。だが男はアルスが気に入ったからだと答えた。その瞬間に、彼は自分の人生を決めた。

「僕はおじさんについて行きます」

満足したのか男は笑みを深め、アルスと握手を交わした。

「今日から君は暗殺者だ」

「え!??」なんとも間抜けな声がアルスから発せられた。


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