ー無記憶症状ー
カツカツカツ…
机に向かって淡々と真っ白のノートに書けないボールペンで傷をつける。
『お前は無能だ』『何をしても無駄』『社会不適合者が』『××の言うことを聞けないのか』『生まれてこなけりゃよかったのに』『発達障害に産んでごめんね』……××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××言われた事をただただ綺麗な筈だった傷だらけのノートにペンを持って書いて、やっと書けるようになったと思ったらノートから赤い液体が出てきちゃってね…せっかく聞いて覚えられるようになったと思ったのにノートはほとんど真っ赤で今まで言われてきた事が浮き上がってその声でその文を何度も何度も耳の横で囁くんだ…もう死にたいけど、大切な君に迷惑がかかるし××や××の××が悲しむ?のかな…そうかもしれないって思うと死ねなくて。
死ねたら、誰にも迷惑がかからないように死ねたら良かったのに…それをこの私が立つ世界は許してくれない。
何の音楽か忘れたけど、その歌詞で産まれた時消えたいって泣いたってとこあったように私はそう思ったのかな…今後生きてく上で自分が消えたいって思うようになる事を見越してさ。
何度も繰り返して誰も居ない場所から聞こえる××の声の罵倒は寝ても覚めても、ずっとずっと私を狩人に追い込まれる狐のようだ。
もう寝よう、携帯から出る大音量の歌を聴いて。