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3. 狂った果実
一方その頃南国ではドラゴンフルーツが誰も見た事のない位にすずなりであった。
しかし農場主のドラゴたそは不満げ。
何故かと言ったら例年より死ぬ程甘みが少ないのだ。
懐寂しい中、昨日思い切って買った糖度計が役に立ったと言っていいのやらどうなのやら。
これでは売れないので来月の携帯代が払えなくて困った(家賃はギリギリ払える)。
ドラゴにしては珍しく少しセンチな気分になってしまい、異世界に転生を試みた。
しかしできなかった。
魔法とか、使えないからだろうNA。
そう考えるともうそうとしか思えない性分のドラゴであるから、幼い頃に見た魔法少女活劇のビデオを見返し画面の彼女らの才能の由来を学び自分の物とすべく瞼を開けるだけ開いて誰よりも効率よく映像を受け入れようとするのであるが、やればやるほど目が乾いていくばかりなのであった。