おまけ3
「またおまけコーナーよ。」
「あれ、なんとかコ~ナ~ってテロップはもういいんですか?」
「作者が『だるい』とか言い出して無くなったわ。結局ちゃんとやったのは二回だけ。作者の持続力のなさがよく現れているわね。」
「でも作者、意外にも3話まで書ききりましたね。『5話までは頑張る。』とか言ってましたから、半分はやりきったことになります。」
「あたしも意外だわ。2話の途中くらいで投げ出すんだと思ってた。これはもしかしたら、5話まではちゃんとやるのかもしれないわね。」
「でも作者、この作品、予定では50話構成だって言ってた気が……」
「触れちゃいけないわ。そんな作者の妄言、忘れた方がマシよ。」
「そうですね。さて、今回のおまけコーナーは二本立てです。」
「作品の補足と、その後にショートストーリーがあるわ。」
「今までのおまけの中で一番キャラ崩壊が酷い内容となってます。」
「それじゃやっていくわよ。まずは小説の補足説明ね。といっても何するかは分かりきってるんだけど。」
「ですよね。」
「「小泉のアビリティの解説。」」
「まったく、毎回毎回このコーナーに押し付けるのやめなさいって。」
「本編で自然に、分かりやすく紹介することはできないんですかね。作者の能力が低いというのもありますけど、完全に投げ出して全く本編で説明する気ゼロって態度がむかつきます。」
「これからもアビリティの説明はおまけに押し付けられそうね。今回も含め毎回おまけで『興味ない人は読まなくていいよ』とか言ってるくせに、完全におまけ読まないとアクションシーン全然わからない状態になってるわね。」
「この作品の読者が全然増えない原因はストーリー以前に読みにくい文章にあることを作者は本当に理解しているんでしょうか……」
「ストーリーも大概だけどね。」
「さて、小泉のアビリティをまとめました。作者の分かりにくい文章の解読にお役立てください。」
1st
『両手棍棒』
両手棍棒を装備する。
2nd
『悪魔の戯れ』
補助効果『ヒットチャージ』を自分に付与する。待機時間1秒。
3rd
『???』
???
4th
『加速』
任意の方向に向かって自分に撃力を与え、運動量を上昇させる。待機時間1秒。
5th
『二段振り上げ打ち』
ダメージと吹き飛ばしの追加エフェクト(後方斜め上に吹き飛ばす)を与える。待機時間1秒。
6th
『地獄打ち』
両手棍棒の先を叩きつける。待機時間3秒。
7th
『昇り龍』
対象を連続で叩き上げ、必殺の一撃で叩き落とす。待機時間7秒。
「7thアビリティに関してはここで説明しても分かりにくいわね。」
「もうご想像にお任せしますとか言えませんね。」
「ま、作品の補足はこんなもんね。」
「このあとショートストーリーがあります。存在意義が皆無の駄SSですが良かったら読んでみて下さい。」
「それじゃ……」
「「あでゅ~!」」
『コンビニにて』
「どれにしようかな……」
僕はコンビニで迷っていた。今日は昨日千歳と行ったカフェの前で千歳との待ち合わせがある。
時間にはまだ余裕があった。
今の最大の問題は……朝ごはんと昼ごはんを何にするかということだ。
脳裏によみがえるのは千歳の言葉。
この世界では、変なものを食べ続けると栄養失調で死ぬらしい。
「うおおおおおおお……」
頭を抱えてうずくまる。
色々な食べ物を食べなきゃいけないことは分かるが、どんな栄養がどれくらい必要なのか分からない。
そんな気にするようなことではないかもしれないが、どんなものが必要か分からないのは、何故かやたらに僕を不安にさせた。
うずくまる僕をチラチラと店員が見る。恥ずかしいので立ち上がることにする。
「とりあえずご飯だよな……」
朝昼あわせて6つおにぎりを買うことにする。育ち盛りだし、それくらい普通に食えるだろう。体はもう大人だが。
(あれ。そしたら意味ないんじゃ……)
よく分からなくなってきて考えることを放棄する。
「あと肉だな。」
レジでチキンと唐揚げを注文しよう。
後は……野菜か……
サラダを見る。
「でもなあ……キャベツとかコーンだけじゃ駄目だよなあ……」
どこかでそんなことを習った気がする。いつかは分からないけど。
「お!」
『一日分の野菜』と書かれたパックのジュースを発見する。
これは……神アイテム!
「よしよし……」
パックの周囲に書かれている説明を読む。何だかよく分からないが、凄そうだ。
これを買ってこう、と意気揚々とカゴに入れようとして手を止めた。
「あれ……?」
成分表示の欄が目に留まる。
様々な栄養やビタミンが書かれているが、あの有名なビタミン、ビタミンCが書かれていなかった。
(ビタミンCって結構重要なんじゃ……)
いつ習ったかは思い出せないが、ビタミンCがとても重要で、ついつい不足しがちになるということを、どこかで聞いた気がする。
大航海時代、屈強な船員達がビタミンC不足が原因の病で次々と命を落としたとか……
「うわあああああ!」
ビタミンCが不足して全身から血を噴き出す自分のイメージが頭をよぎり、思わず叫んでしまった。店員が不審の目で僕を見ている。
「ビタミンC……ビタミンC……」
ビタミンCを求めてよたよたと店内を徘徊する。
他の客が遠巻きに見つめていたが、もうそんなものは目に入らなかった。
「ビタミンC!」
レモン○個分のビタミンCが入っていると謳っているジュースを発見する。しかし……
「炭……酸……だと……!?」
そのジュースは炭酸入りだった。これから戦闘をすることにになるかもしない。炭酸はできれば飲みたくなかった。
「ビタミンC……」
また店内を徘徊する。
(くそ!ない!ビタミンCがない!ビタミンC!ビタミンCはどこだ!嫌だ!死にたくない!死にたくないいいいいいいい!)
半ばヒステリックになりながらビタミンCを探し回っていると、
「うおおおおおおお!これは……!」
僕が見つけたのは……ポッ○レモンだった。レモンの汁が入った小瓶だ。
「あの……お客様?」
「ビタミンCいいいいいいいいい!」
「ひぃ!」
僕を不審に思った店員が話しかけてきていたが、それに気づくこともなく僕は喜びにうちひしがれていた。
(これで生き残った!)
胸を歓喜に満たされたままレジに向かう。店員がビクビクしながら商品のバーコードを読み取っていく。
「あの、お客様?」
「フフフ……」
「ひぃ!」
思わず口元がニヤついてしまう。
そんな調子で僕はレジ袋を大きく揺らし、鼻歌を歌いながらコンビニを出た。
「何それ。」
僕と千歳は命の湖へ向かう途中の洞窟で昼食をとっていた。お腹が空いたので休憩することにしたのである。
僕が袋から取り出したポッ○レモンを指差して千歳が問う。
「ビタミンC」
僕は笑顔で答え、上を仰いで口を開き、口に向かってポッ○レモンを振った。
「何やってんの……」
千歳がドン引きして尋ねてくる。知らないのかな?ビタミンCはとても重要なのだ。
「いる?美味しいよ?」
千歳にポッ○レモンを差し出す。
「いるわけないでしょ!?気持ち悪い!」
「ぐは!」
また殴られた……訳が分からないよ……
フンッと鼻を鳴らし、またポッ○レモンを飲む。
(いらないならいいよ。その代わりビタミンC不足で倒れても助けないんだから。)
内心で愚痴りながら、パックの野菜ジュースを吸った。