5月11日
今日のバイトも疲れた。
一昨日につけた広告を全て外し、今日の分に付け替える作業が辛すぎるんだ。
大体なんだよ三尺毎にって、ペットコーナーだけで9枚広告付けてたぞ。
それをマヨネーズ・ドレッシング・スパイス・カレールー・ワイン、その他。
めちゃくちゃ時間かかるんじゃい、40分の残業になっただろうが。
これ、俺がやめた後どうなるんだ?実質俺一人でやってるような作業だけど。
またマニュアルとか作ろうかと思ったが、結構な頻度で作業内容に改訂があるし。
増えて溢れかえった広告の置き場所が安定しないし。
引継ぎに問題アリだなぁ……。
今日頭に出てきたのはバイト中。
姿はなく、声だけが頭に響いた。
このタイプも無いわけじゃなかったが、まあまあ珍しい、月に2回程度の頻度だ。
声だけだから記憶に残りにくい、今回は甲高い女性の声って感じだった。
「ねえ、君には憧れの人はいるの?」
急に話しかけられたから困惑していた。
「ほら、役者とか、アイドルとか、エンジニアとか」
憧れ……?まあ、特撮とか好きだし、俳優とかなら……。
「……憧れの人のこと、なりたい人とか思ってない?」
え、何か違うのか?
「未来の自分のことなんだよ!」
そう言って、声は聞こえなくなった。
今までで一番訳の分からない会話だった。
憧れの人=未来の自分……?どういうことだ……。
あと、なんで頭にいるか聞きそびれたし……。
やっぱこいつら俺をおちょくって楽しんでるって。
未来の自分なんて考えたこともないのに、憧れもなにもないだろ。