ゴキブリ並みの生命力
@天内 涼也@
ドサッ
地面に尻餅をつく感覚がして、目を開く。
「生き…て、る…!」
抜いた2本の刀とともにダイダラボッチが立っていた場所に居た。
ダイダラボッチに飲み込まれてからの記憶がない。
取り敢えず、刀を抜いて振り回したのだけは記憶に新しい。
すると、上空からヘリの音がする。
「あれ?!
無傷?!」
「なんか知らないんですけど生きてます!」
「生命力ゴキブリかよ((」
「失礼な。」
ヘリを着陸させるためにある程度整地をして、ヘリをおろしてもらう。
ヘリから降りてきた陽さんは残念そうな顔をしていた。
「あ、そうだ。
涼也、討伐報告。」
「あ、そうだ忘れてた…」
陽さんから討伐報告の命を受け、左耳につけられたインカムに手をかける。
「天内涼也、生態番号陸壱百伍拾参番討伐完了しました。」
「”確認します。”」
インカムからは無機質な眠たげな声が聞こえてきた。
「あの、陽さん。」
「ん?何??」
「今オペレータールームに居るのって、」
「入隊3年目の檜本海空。
一応お前の先輩だからな。」
「それにしてはすごく過労死しそうな声してましたけど…大丈夫なんですかあの人。」
「…」
「なんですかその間ッ!!」
「”生態番号陸壱百伍拾参番の反応なし。
討伐完了とします。”」
「あ、の!檜本先輩ッ!!」
「”…何でしょう。”」
「しっかりお休みになってくださいね…!!」
「”…暇があれば…休みます”」