恐怖の光
@天内 涼也@
落ちている。
見上げる先には冷酷な顔をした陽さんが、下には大口を開けて待ち構えているダイダラボッチが。
やっぱ、怖いもんは怖いよ。
父さん、母さん、こんな恐怖の中俺と居てくれたんだね…笑
でも、やっぱ俺には
「荷が重かったよ…ッ」
ドプンッ
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@永田 陽@
「…檜本、天内の反応は。」
左耳につけた小さな機械に向けて声を掛ける。
薄っすらと砂嵐をまじえたあと、眠たげな女性の声が響く。
「”心拍数、血圧ともに異常なし。
損傷箇所もありません。”」
「ありがとう。」
さて、どうしたものか。
ココ数ヶ月、天内には生前の天内御夫婦の戦闘記録や訓練を積み重ねてきた。
やはりまだ実践は早かったようだ。
「裕香、一発ぶち込め。」
「はい。」
耳元のインカム越しにキリキリ…と弓を引く音が聞こえる。
と、その刹那、
ダイダラボッチの下腹部が光りだした。
「み、陽副隊長!」
「一回辞めろ。
「しかし…!」
「…おそらくこの光は天内のものだ。」
ダイダラボッチの下腹部がどんどん膨れ上がってくる。
このまま行くとおそらく弾け飛ぶだろう。
「裕香、結界準備。」
「は、はい!」
結界を周囲に何重にも重ねて張る。
ダイダラボッチの下腹部はメキメキと音を立てて、
パァンッッ!!!
突風とともに妖力を撒き散らして破裂した。