14×5
@天内 涼也@
「はい〜、ぼくの勝ち〜!」
「もぅ一戦!お願いします!!」
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生態番号参拾陸番、ひきこさんに襲われてから数ヶ月。
俺は日々陽さんに稽古をつけてもらう日常だった。
陽さんは優しく、丁寧に、そして、
「スパルタですよ…ッ!!」
「まぁあの人なのある家の出だからね…スパルタなのは御父上譲りなんじゃない?」
「恵さんもなんとか陽さんに言ってくださいよ!」
「いやぁ〜…俺は副隊長よりも立場が下だから…ちょっと無理があるかな…笑
そもそも口出したらシバかれるし…」
「恵さんそれでも参番隊長なんですか???????」
「いや考えてみて?
壱、弐、参…明らかに参の方が下でしょ。」
「隊長権力でなんとか…」
「無理。」
ココ数ヶ月の間に仲良くなった参番隊隊長の水薔薇恵さんと給湯室でコーヒー片手に談笑する。
恵さんは俺が殉職した両親、天内紳司と天内海莉のことを聞いたときも動じず、何なら嬉しそうだった。
怪解奇隊としての俺の出番は未だ来ず、日本アルプスの中にある基地で鍛錬を積む日々だった。
「てか、怪解奇隊って何番隊まであるんですか?」
「ん〜…俺も詳しくは知らないけど、北海道大雪基地に参番隊、
関東日本アルプス基地に伍番隊まで、中国四国高知山脈基地に弐番隊、
九州と沖縄合わせて桜島基地に倭番隊…トータル壱拾倭ぐらいあるかな。」
「人数多そうですね…」
「そうでもないよ?
一部隊の所属人数が5とかそこら辺だから単純計算すると70人ぐらいしかいないよ。」
「すくなッ!!」