両親
@久夛良木 雪郎@
「君のご両親、天内御夫婦は
ココ、怪解奇隊の長官と副長官だったんだ。」
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「なぁ、雪郎。」
「はい!」
「もし俺と海莉が殉職したら、長官は君に。
そして、」
「副長官を桂君に明け渡そうと思ってるの…!」
「なんてことを言うんですか?!
お二方は…絶対…」
「いいかい、雪郎。
人も、物も誰しも寿命があるものだ。
それが、明日かもしれないし来年かもしれない。
ただ、それだけのことだよ。」
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「そういった次の日、御夫婦は消息を絶った…」
「えッ…?」
「御夫婦のインカムに取り付けられていたGPSも反応なし、最終地点には、
長官の右腕らしきものと、壁に書かれた妖の文字…
天内長官御夫婦の遺体も、痕跡も、
右腕以外何も残っていなかった。」
「遺言もなし、唯一残っているとすれば天内御夫婦の一人息子、
君だ。
しかし、天内御夫婦は君を知人の家へと養子で入れた。
天内御夫婦は仕事場でもオフでも君の話をしなかった。
天内御夫婦が亡くなった今、血縁者は君だ。
次に狙われるのは君になる。」
「そこで我々は、君をこちらで保護しようと考えた。」
「しかし…天内御夫婦が口を固くして守っていたんだ。
そう簡単に見つかるわけもなく…」
「オペレーターチームとも手を組み、君が襲われた離島へとたどり着いた。
そこで、発生していた生態番号参拾陸のひきこさんの討伐とともに君の保護に手を尽くしたのが、」
「ぼくってわけです!」