2/16
永田陽
「ん…?」
温かな気温で目が覚める。
学校でも自宅でもない、白塗りの天井に鳥の声…
追いかけてきた血濡れの女…
あれは何だったんだろうか。
悶々と考えていると、部屋の戸が開く。
「あ、起きてる。」
「ぁ、ぇと…」
「そんな警戒しなくてもいいよ〜…それに、君は大事な証言者だから。」
「はぁ…?」
「改めて、
怪解奇隊壱番隊副隊長の永田陽だ、よろしく。
君は?」
「ぇと、天内涼也です…」
「りょーくんね、よろしく!」
ニカッと笑う永田という男は手を差し伸べてきた。
握手の意で差し出してきたては、俺にとってはなんとなく、
穢のないきれいな手で、俺の手とは程遠いことを感じさせられた。
「あの、ところで証言者って…何のことですか…?」
「君を追いかけていた血濡れの女、いたでしょ…?」
「はい。」
「あれは、生態番号参拾陸のひきこさん。
今回のぼくの討伐対象だ。
で、本当に討伐したのかは討伐対象に襲われて記憶のある人が証言者としてぼくと一緒に長官に報告に行く
ことになってる。」
「ということは…?」
「うん。
これから長官室!」