表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蕺草  作者: 生豚
3/4

夕焼け

 一人暮らし。東京の朝夕食つきの2階建ての学生寮。月8万円の家賃をバイト代と仕送りでまかなう。

帰ってきてもあまり落ち着かない。薄い壁、少しも言葉を交わさない隣人。2階から聞こえるドアの開く音と足音。一時間後の食事。それまでの時間僕は何をするべきなのか。勉学、筋トレ、趣味。といってもあまり音は出せない。

 悩んでいたらいつの間にか窓に夕焼け。引っ越してきて半年。やっと気づくこの町の景色。朱い。育ち故郷の山形のような寒さもここにはない。暖かいわけではない。ただ僕一人でも生きていけると思わせるような太陽に手の平を透かしたような感じだ。心が安らぎ、息が詰まる。時計の針が大きな音を鳴らす。時間だろうか。別に急ぐ必要はない。

 下に降りれば言葉を交わす必要もない彼らがいる。

 少しだけこの町を見ていたい。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ