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それなり僕のダンジョンマイライフ  作者: 巌本ムン
Season1

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静かなる者③


僕はふたりにレリック【静者】のことを話そうと思った。

さすがに【バニッシュ】は話せないが、これはいいだろう。


それに【静者】を詳しく知りたいというのもあった。

探索者のふたりならひょっとしたら知っているかも知れない。


「実は、もうひとつレリックがあります」

「えっ、アタシと同じ。ふたつ持ち?」

「どんなレリックだ」

「……【静者】です」

「【聖者】!?」

「なんだと!?」

「違います。静かなる者で静者です」


まぁあのスーパーウルトラレアレリック【聖者】を連想するのは無理ない。

僕も真っ先に頭に浮かんだ。


レリック【聖者】は至高のレリック【ホスチア】に関連するレリックだ。

所持していたら確実に第Ⅰ級探索者が確定する。


少なくとも公表されている範囲では現在、所持者がいない。

ミネハさんが溜息をつく。


「なに、パチモン?」

「そうじゃないですけど」

「……静かなる人で【静人】というレリックはある」


アクスさんがポツリと口にした。


「どんなレリックなんですか」

「使用すると一瞬だけ冷静になれるらしい」

「便利のような便利じゃないようなレリックね」

「冷静にならないといけないときに使うと、落ち着けるから便利らしいぞ」

「ふーん。言われるとそうね」


確かに一瞬でも冷静になれるから使えるレリックだ。

探索者にピッタリだけど。


「一瞬だけなんですか」

「そうだな、そう聞いている」

「ウォフ。あんたのその【静者】はどんなレリックなの?」

「えっと、一定時間だけ冷静な状態で行動ができます」

「待て。それっておい」

「【静人】の上位互換ね」


やっぱりそうなるよな。

一応尋ねる。


「あの、僕のレリック【静者】を所持しているひとは」

「俺が知る限りいない」

「アタシも初耳だわ」

「……ですよね」


はあ。ですよね。

アクスさんがふむと頷く。


「今は緊急事態だが聞いたが、あまり言っていいことじゃないな」

「アタシの【スパイラル】もそうだけど、希少は狙われるからね」

「そうですよね……」


特に僕は探索者じゃない。

いざとなれば排除できるが、それは目立つからやりたくない。


「安心しろ。俺は言わない」

「アタシもよ」

「は、はい」


ふたりとも僕の心情を察したのか。

ありがたい。


「にしても、アクス。あんた。妙にレリックに詳しいわね」


ジト目でミネハさんが言う。それは僕も思った。

アクスさんは言われると思ったよと前置きして。


「色々思うところはある。それでもレリックは探索者に必要なモノだ。使えなくても情報として覚えておいて損はないからな。もし対応することがあっても対処できる」


対応。それの意味することは理解している。

探索者同士の戦いだ。ダンジョンには法が無い。


例え国法で探索者同士の争いが禁止されていてもだ。

ダンジョンには関係ない。


ここでは何が起きても許容される。

許される。それがダンジョンの法かも知れない。


「―――情報は何よりも勝る力って師匠が言っていたわ」

「探索者としての基本だな」


よく覚えておこう。

それにしてもアクスさんとミネハさん。

自然に話しているように感じる。


お互いに仲良くなったわけじゃないがそれでも嫌悪感は無くなった気がした。

良い傾向なのかもしれない。


「それにしてもここはどこなのよ」

「ダンジョンだ」

「そんなの分かっているわよ。3階じゃないでしょここ。明らかに雰囲気ががうわよ。3階までじゃなかったの?」

「推測はできる。何階まであるか分からないが、ここは普通のダンジョンだった。あるいは普通のダンジョンとして発生するはずだった。しかし」

「ダンジョンの異変」


僕はつい口を挟んでしまった。

アクスさんは頷く。


「そうだ。ダンジョンの異変の地震で何か起きた」

「それで全3階のダンジョンになったというの?」

「あくまで推測だ。詳しいことは調べないと分からない」

「じゃあ、なんで今こうなったわけ」

「それは、たぶんまた地震が起きたからですよ」


答えたのは僕だ。


「地震……」

「それでまたダンジョンに変化が起きたんだと思います」

「ウォフの言う通りかもな。今、異変の討伐を行っている。その影響でまた地震が発生したと考えれば、納得できる」

「ふーん。理解したわ。それで此処は何階なの」


ミネハさんの質問に誰も答えられない。

僕は言った。


「とにかく現状は進むしかないです」

「そうだな」

「そうよねやっぱり」


他に道はない。

何があるか分からないが今は進むしかない。

―――すると赤い点が六つ。前方から見えた。


「ふたりとも敵ですっ!」

「なに?」

「それってレリックの?」

「はい。動く赤い点。敵は6体です」

「ちょっと多いわね」

「ウォフ。いけるか。ひとり2体だ」

「ちょっと、あんた。雇い仔に」

「わかりました」


僕は頷いた。

そんな僕の横顔を見て怪訝にするミネハさん。


「ウォフ……? あんた。戦えるの」

「はい。戦えます」


ナイフを取り出して構える。


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