表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
それなり僕のダンジョンマイライフ  作者: 巌本ムン
Season4

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

302/312

賭博伝説外典外伝~クイーン~ハウスオブカーズの謎②


衝撃的な1ゲームだったっス。

1ロールも回らないダガアの圧勝。これがクイーンっ!


「……強過ぎるっス」

「さすが吾輩のクイーン」

「いやあんたのじゃないっスよ」


余韻冷めぬまま、すぐさま2ゲームが開始されたっス。

2ゲーム目。ダガアは3番手。ロールは普通に回ったっス。

2ロールは波乱もなく無事に終わる。


今回は1ゲーム4ロール。何か起きるとすれば3ロール目っスか。

動いたのは1番手のフォーンの男性Aっス。

普遍人族の女性が捨てた『狩人』を拾う。


それと同時にレガシーを使ったっス。

効果は指名相手のカードを1枚選んで捨てさせる。


ただし相手の手札は見えないのでランダムっスね。

指名されたのは、ダガア。彼が選んだのは……『ユニコーン』のカード。


ダガアは『ユニコーン』を捨てたっス。

男は開示しないみたいっスね。ダガアを警戒して攻撃仕掛けたみたいっス。

次の手番の普遍人族の女性が山からカードを引いて、捨てる。


「ふふっ」


意味深に笑った。

それにしても貴婦人って感じの華やかな黒い鍔広帽子っスね。


ダガアの番っス。

山からカードを引いて、捨てる。『キマイラ』のカードっスね。

それだけで特にアクションを起こさなかったっス。

次のフォーンの男性Bも山から引いて捨てる。


さあ4ロールっス。最終。何も起きないはずがない。

波乱の展開になるはずっス!


あれ? 

なんかあっさり強制開示になったっス……しかも誰も『役』が揃っていない。


「こういうこともある」

「うむ」


魚と沢蟹が偉そうに後方腕組しててウザい。

誰も役が揃っていなければ流れになる。


次の3ゲーム。

ダガアは1番手。いきなり動いたっス。


山からカードを引いて、捨ててレガシーを出す。

順番を逆にする効果だったっス。


どういうことっスか。

これで1番手から4番手に落ちたっスよ。


4番手から1番手になった女性が山からカードを引く。

『騎士』のカードを捨てる。


『騎士』っスか。

『騎士』と『聖女』あるいは『王女』と『ドラゴン』。

これでドラゴンスレイヤーの役が出来るっス。

ただ『ドラゴン』は難しいっスね。


次は2番手になったフォーンの男A。

山からカードを引いて、レガシーを使用。

効果は山からもう1枚カードを引く。


「よっしゃっ」


良いの引いたみたいっスね。

捨てるのは『王女』。


「それよ!」


女性がカードを開示したっス。

『騎士』・『王女』・『ドラゴン』……ドラゴンスレイヤーっスね。


おおっ、感嘆の息が全員から洩れる。

『ドラゴン』引いたっスか。


「ちくしょう!」


3番手のフォーンの男Bが、吠えたっス。

彼が開示したのが『王子』・『王様』……王国を狙っていたみたいっスね。

フォーンの男Aはバラバラだったっス。


ダガアは『ユニコーン』・『ペガサス』の2枚。

狙っていたのは『レプラコーン』っスか? それで三幻馬になるっス。

ただ『役』の格でいえばドラゴンスレイヤーより下っスね。


『ドラゴン』は強いっス。討伐される側でも。


勝者は女性っス。

これで1対1……タイマンっスね。

決闘ルールが採用されているからダガアと女性の一騎打ちっス。


ダイスでダガアが2番手。

女性は山からカードを引いて……捨てる。

捨てたのは『狩人』―――それで終わる。


ダガアも山からカードを引く。

『グリフォン』を捨てる。何もない。


これで1ロールが終わる。

しかしなんっスかねえ。


「……」

「……」


席に座ったまま黙っているフォーンの男AとBが妙に緊張していた。


「……なんだろうな。魚の同志。この空気」

「やはり感じるか。蟹の同志」


魚と蟹も何か感じ取ったみたいっス。


女性が山からカードを引く。『王様』を捨てる。

そしてレガシーを出した。効果は相手のカードを1枚引いて捨てるっス。


おっとダガアも負けじとレガシーを出す。

効果は相手からカードを1枚抜いて、自分の手札に加える。


そして山からカードを引いて捨てる。

これで1ロール終了。


「やるわね。クイーン」

「ナ!」


女性は楽しそうっスね。ダガアも活き活きしているっス。

2ロール目。

女性が山からカードを引く。止まった。


「……」


選んで『狩人』を捨てたっスね。

ダガアの番っス。山からカードを引く。

『ユニコーン』を捨てた。


女性は動かない。

3ロール目。


「そろそろ……」


山からカードを引く、『王妃』を捨てる。そしてレガシーを使う。

なんと効果は対象者の手番を飛ばす。


つまり、女性の番っスね。

山からカードを引く。選んで『王子』を捨てる。


4ロール。これがこのゲームの最後っス。


「これで終わりね」


女性は言うと山からカードを引いて、捨てて、開示する。

『王女』『聖女』『魔女』……ザ・レディ。かなり大きな『役』っス。


「ナ!」


ダガアは開示する前に山からカードを引く。

彼女の番なので可能な行為っス。


選んで捨てて、更にレガシーも使う。

効果は山からカードを引く。捨てる。


「悪あがきね」


ウチにもそう見えるっスね。

ただ使える手はすべて使うところは好感もてるっス。

悪あがきに見えるかも知れないけど、勝負を捨てるよりマシっス。


「ナ!」


ダガアもついにカードを開示。

『ドラゴン』・『ドラゴン』・『ドラゴン』……こ、これは。


「おお、三つ首!」

「三つ首だ!」


思わずという感じでフォーンの男AとBが口々に叫ぶ。

『ドラゴン』のカード三つの『役』……スリードラゴンと言うっス。

ただ三つ首の俗称があまりに広がっていて、『役』名はあまり知られてないっス。


ハウスオブカーズで最強の『役』のひとつっス。

これを揃えるのは大変なんっスよね。


なにせ『ドラゴン』のカードは全部で3枚しかない。

64枚の中にたった3枚だけっスからね。


それを引き当てた。まさにクイーン。


「ふっ、完敗だわ」


女性は笑顔で負けを認めた。


「勝者ゃあぁっっクイィィーーーンっっっ!!!!」


うわっ、ビックリした。なんなんっスかもう。

というかなんでフォーンの男Aが言ったんっスか?


「素晴らしい。素晴らしい」

「ブラボ―っブラボーっ!」


魚と蟹が拍手する。

女性は立ち上がると、被っていた帽子をダガアに被せた。


「あげるわ。クイーン」

「ナ!」

「へえ、似合っているじゃないっスか」


まさにクイーンって感じっスけど。


「おめでとう。次の舞台はフルムーンバザーの移動宮殿のチャンピオンマッチだ」

「それってVIPエリアっスか」

「そうだ。ハイゼンチャンピオンは強い。楽しみだよ。クイーン」


蟹頭がワシャワシャっと脚を動かしてハサミを鳴らす。

なんか頭の情報が五月蠅くて何言ったのか忘れてしまうっス。


「わはははっっっ、賞金総取りだあっっ」


ギムネマが銀貨と金貨を手にして、狂喜乱舞しているっス。

踊り喰いっスかね。


にしても思わぬVIPエリアの片道切符を手に入れたっスね。

面白かったから当日も護衛として見学するっス!
















貿易都市ハイゼン。

フルムーンバザー会場・外縁部。


当日に向けてテントの設営と商品の搬入とで慌ただしい。

商品を狙ったコソ泥も出て来て、衛兵が走り回っている。


そんな治安が最も悪く無登録でほぼ闇市と化している外縁部の中心。

粗末な密集したテントの中に簡単なBARカウンターがある。


カウンターに座るのはホッスと顔に傷のある男だ。

安酒を飲みながら声を低くして話す。


「これが、例の赤い仮面の男の情報だべ」


ホッスはそう言って羊皮紙を数枚分、渡す。

男は手にして読む。


「数か月前のムーンバザーでいくつか剣を売り、そして街を出たでゲスか」

「フードを目深に赤い仮面を被っているから怪しすぎて目立っていただ。だから情報を集めるのは難しくなかったべ」

「あまり派手に動いてはいないみたいでゲスね」

「だべな。不思議と絡まれたりとかもしていないみたいだ。ハイゼンの情報はこんなもんだべ」

「ご苦労様でゲス。これが例のモノでゲス」


男は何かのプレートをこっそりとカウンターに滑らせて渡す。


「それが使えるのは一度だけでゲス。二度目だとバレますでゲス」

「……助かっただ。どうしてもVIPエリアは侵入無理だったべ」


ホッスは確かめて懐に仕舞う。


「……こちらとしても、もっと有益な情報と方法があればと思いますでゲス。こんな方法でしかないのは申し訳ないでゲス」

「仕方ないだ。ルマのこと分かっただけで充分だ」

「あんな方法を使うとは……おいらもゲスなのは自覚しておりますが、あれほどのドクズでゲスは滅多にいないでゲス。まさか、ルマさんに呪いを掛けているなんて」

「…………ルマだけでねえ。無理矢理に妻にした女性全員だ。妻にしただけでねえ。もう何人も……あいつの趣味の犠牲に……」


ホッスはこぶしを強く握り締める。怒りがこみ上げる。

男は音もなく席を立った。


「お気をつけて」

「ああ、オラがきっちりとバァロウを殺しておくだ」


ホッスは酒を飲み干し、置いた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ