居場所
魔法研究部にはオングとルルナ、ロイスがいた。
「久しぶりぃ」
と間延びしたルルナの声に安心する。
ああ、帰って来たって気がするな。
自分でも意外だけどここが今の私の居場所なのかもしれないな。
マクシムが帰ってきたと思ったら女連れで、ずっとべったりしてるものだから
マクシム目当ての女生徒たちはぱたりと現れなくなったとルルナが笑って言った。
「ミズキ王子の方はどうなのぉ?
王女様とって噂だけど」
と揶揄う様に聞いてくる。
「あの劇は全部創作だから」
と言えば
「そうだとは思ったけどぉ」
というルルナと一緒にロイスも笑った。
妖精石のペンダントを取り出して、ルルナに販売を頼む。
気に入ったのがあったら一つずつあげると言ったところで扉が叩かれ、マクシムとラリアさんが入ってきた。
「あ、ミズキさん!」
とラリアさんが笑顔を見せる。
「あ、知り合いなのぉ?」
とルルナに聞かれて言葉に詰まる。
何て説明したらいいだろう。何も考えてなかった。
「実は僕の依頼で同行してもらってたんだ。
冒険者ギルドを通したから守秘義務が発生してる。」
とマクシムが助け舟を出してくれた。
が、
「ミズキさんが神聖国の次代の聖女になりそうだったんですよ。」
ラリアさんが話し出した。
何を言う気?と一瞬固まってしまった。
マクシムも停止している。
「聖女?男なのにぃ?」
とルルナが言うとラリアさんが続ける。
「あれも魔法なんですよね?ミズキさんが女性の「わあああああ!」
と大声で遮ると、みんなが驚いて私を見た。
「それも守秘義務の範疇だから!」
とラリアさんに言う。
ラリアさんはキョトンとして小さく呟いた。
「私にも守秘義務あるんですか…?」
察して!ラリアさん!
『天然ちゃんかな?』
「びっくりしたぁ」
とルルナが言う。
私も自分があんな漫画みたいな行動する羽目になるなんてびっくりしたわ。
あとでラリアさんにしっかり口止めしよう。
そして新たな口止め案件は諦めよう。
話をそらすためにも妖精石についての説明を始める。
持ち主を石が選ぶんだよと言うと
「私の場合はですね、
ミズキさんが着けてたのが気になって。」
とラリアさんが言う。
「今も着けてるのあるのん?」
とルルナに聞かれてシャツの首元からペンダントを引き出すと
ロイスがじっと見てくる。
これ、気に入った?と聞こうとする前に
「それ」
とオングが声を上げた。
「僕それがいい。」
「ほんとに運命を感じるっていうか、他のと違う気がするんですよね。
妖精が眠ってるって言うのもわかる気がします。」
とラリアさんが言うと、ルルナもロイスも真剣にペンダントを選び始めた。
夕暮れが迫ってきて城に向かうことにする。
歩いても20分くらいの距離だ。
『うぬぼれじゃないと思うけど』
ん?基本いつもうぬぼれてるよね。
『ロイスに惚れられてるお!』
えー
『劇が全部創作って言った時もホッとしてたし
着けてたペンダントを欲しそうに見てたお!』
うーん。確かにそんな気もする。
出会いの経緯も有って、好感を持ってくれてるのは間違いないだろうけど
私はまだ誰かと付き合うとか考えられないし
何よりロイスはウィズの思い人だ。
『牽制されたわけじゃないし遠慮する必要はないお!』
牽制…
ああ、あの首絞めとかももしかしてそういうこと?
しっかり牽制されてたんじゃん。




