報告会
翌日案内された部屋には
すでに王と第三王子、マクシムがいて
神聖国での出来事を報告をしているところだった。
私は特に質問されることもなく報告は終わりそうだ。
私が前世の姿になった話になると、王は私をからかいたそうな顔をしたが
ラリアさんの聖属性魔力の強力さをマクシムが興奮気味に語りだして、
そちらに興味が移ったようだった。
ラリアさんは他の属性の魔力は無いようだが、
逆にそれが聖属性魔法の開発に役立つ可能性があるとマクシムが力説する。
マッドなサイエンティストが面白い実験体を手に入れた時みたいだ。
「ラリアさんが嫌がることはしないでくださいね。」
とくぎを刺す。
彼女は優しい世界からやってきて、この世界に傷ついた少女なのだ。
『ラリアたんは僕が守る!キリッ!』
いやそこまでじゃないけど。
「そんなことするはずないよ。」
とマクシムが言う。
「魔法の行使には精神の安定が重要なんだ。
価値を分かろうともせず魔力を萎れさせるあの国とは違う。」
この国の魔法に対する定義が健全で良かったな。
ラリアさんは昨日のうちに入学と入寮の手続きが済んで、
今日はもう授業を受けているらしい。
半ば強制的に魔法研究部にも入部させ、ルルナとロイスに案内を頼んできたということだ。
ラリアさんとはお互いに別の世界から来たということは秘密にしようと言ってある。
なので、本物の聖女だということも言わないでおく。
「あとひとつ気になったことがあって、推測に過ぎないのですが」
と王子が話し出す。
「帰りの道中、魔獣の姿がありませんでした。
もしかして彼女の聖属性の魔力が関係しているのではないかと。」
「ありえますね。」
とマクシムが同意した。
とにかく今のラリアさんは魔力が駄々洩れしている状態で
まず魔力のコントロールを学ばせたいと言う。
王からラリアさんの世話という名目の監視を仰せつかったマクシムは嬉しそうだ。
やっぱりマッドな空気を感じる。
歴代の聖女についても調べてみるかと王が呟いたところで報告会は解散となった。
報告が終わって解散した後、マクシムは一人王を訪ねた。
「やはりお耳に入れておいた方がよろしいかと存じまして」
マクシムは第三王子が女性の姿のミズキに求婚したこと、
ミズキが男に戻った後も女性として見ている節があることなどを報告する。
王は低く唸るような声で言った。
「くわしく!」




