表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/123

国王

数日後、王子直々のお迎えを受けて登城することになった。

王子の私室に通されソファーを勧められ雑談。

私室とは言っても何間も続いている部屋の一番手前の広い応接スペースだ。

ややあって扉がノックされる。


「父上」王子が立ち上がり、入ってきた人物に話しかける。父上って国王?

バッと立ち上がり、とりあえず日本式のお辞儀をする。

「座って楽にしてくれ。私的な場だ。」

国王は40手前くらいかな。茶色い髪に緑の瞳の精悍な顔つきの男性だ。

王子様然とした第七王子とはずいぶん雰囲気が違う。

威厳、豪胆、ワイルド、カリスマ… そんな言葉が似合う。

気圧されて緊張に汗ばむようだ。


『視られているお』言われてハッとする。

『この国王、精度の高い鑑定眼持ちだお。嘘も見抜くみたいだお』

どうしよう。さっきの緊張と違う汗が背中を伝う。

王が片手で合図をすると護衛も侍従も王子さえも席を外して部屋から出ていく。


「なぜ」一対一になったところで国王が口を開いた。

「なぜ両親共に黒目黒髪なのにその髪色とその目なのだ。

それにお前の輪郭はぼやけて見える。

まるで何人かが重なっているようだ。」何か鋭い。

これはもうそこそこ事実を言うしか無さそうだな。


「実は私は事故で死んだ人間で、その人格を持ったまま、女神様にこの体を与えられ、気が付いたら王都の外れの町に居たのです。」余計なことは言わないように慎重に話す。

「なるほど。信じがたい話だが信じるしかあるまい。

詳細はわからんが神々に多くの加護も与えられているようだ。」

詳細はわからないという言葉にちょっとだけ安堵する。

なおも王は私を凝視してくる。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ