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脳内男子がうるさくて  作者: ちぇりこ


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今後の予定

「祈祷の方は?」

と聞くと、受ける前だったがもういいと言う。

「神官が話してた光が祈祷室にも降り注いだんだ。

その時に殿下の胸の黒い靄が消えていくのがはっきり見えたよ。」

とマクシムが言う。

王子の胸を視てみると確かに靄は無くなっていた。


速足で神殿を出る。

「なるべく早くこの国を出ましょう。」

とマクシムが言う。

「そうだね。」

王子はどこか上の空だ。


「でもその前に詳しい話を聞かなくちゃね。」

「そうですね。」

二人がぐりんと顔をこちらに向けた。

「ミズキに。」


とりあえず宿に戻ると、マクシムが私用に一人部屋を追加した。

滞在者の名前と問われて「ミヤ」と名乗る。

部屋の鍵を渡されたが、そのまま一緒に三人部屋に入る。


「で、何があったんだい?」

とマクシムが聞く。

王子がどこまで知っているのか分からないので事実だけを、

最小限の情報で納得させられるよう慎重に話す。


前世の女性が27歳で事故で死んだあと

女神に17歳の男性の体を与えられたこと、

神殿でその女神の声が聞こえたこと、

この姿のことを相談したこと、

その時に発光していたらしいこと、

女神の最後の言葉。


「じゃ、あの降り注いだ光は」

「ええ、確かに女神様の祝福だと思います。」

「そうなると、僕が治ったように病気が治った人もいたかもしれないね。」

と王子が考え込む。

「僕らは他国人だから神殿も強引な手段は取れないとは思うけど」

王子は紙とペンを取り出すと素早く何かを書きつけてから転送魔法を使った。


「迎えを要請したよ。明日にはここを離れよう。」

「そうですね。」

とマクシムが同意する。

王子は私に向き直った。


「で、前世の君なんだけど」

『ギク』

むう。やっぱりフシダラとか思われるのは嫌だなあ。

「結婚してたの?」

『ソレダ!』

おう!この世界で27なら結婚してるのが普通だね!

「はい!」

思わず勢いよく答える。


「亡くなってすぐ17歳のミズキになったなら

相手はまだ存命ってことだよね?」

「そうですね。多分」

この世界とのタイムラグが無ければだけど。


「えっと」

王子は少し言い辛そうに聞く。

「君はまだその相手をす、好きなの?」


「うーん、嫌いではないですね。

幸せになって欲しいと思います。」

「会いに行きたいとかは思わないの?」

行けるものなら行きたいかな。でも。

「もう遠い世界の人ですから。」



「それでその姿については?」

とマクシムが聞いてくる。

「強く念じてから転移魔法を使えば戻れると思うと言っていました。」

「戻れない可能性もあると?」

「男として生きる覚悟がとか言われましたね。」


問われるまま女神との会話の内容を話す。

マクシムは興味深そうに聞いている。

やっぱりマクシムも研究者なんだなあ。



ひとしきりマクシムの質問が終わると王子が話し始めた。

「それで今後のことだけど」

今夜半には迎えが門の外まで来て待機しているはずとのこと。

宿の主人には話をつけて清算を済ませ、未明に出立するから見送りは要らないと言っておく。

一人部屋の「ミヤ」は体調を崩したので数日休ませるとし、その分の宿代も支払っておき

人に移る病だといけないからと部屋にこもっていることにする。


「主人を追う、とでもメモを残しておけば姿を消しても不自然じゃないかと思うんだ。」

「そんな偽装する必要って有りますか?」

と聞くと

「まあ念のためだよ。ほら」

マクシムが窓のカーテンを少しだけ開けて外を見せる。

外には建物の影から宿屋を窺う神官服の男たちが居た。


「神殿からずっとついてきてたんだ。」

「聖女不在はこの国にとって僕らが思うより重大なことなんだろう。」

と王子が言う。

「すみません。私のせいで」

と謝れば

「いや。結局僕が治ったのもそのおかげだしね。」

と笑う。


「とにかく殿下の身元が割れることだけは避けたいからね。

「ミヤ」には囮になってもらおう。

奴らがミヤを見張っている間に国境を越えて足取りを消すんだ。」

とマクシムが言った。


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