神との対話
神殿に着くと朝早い時間にも関わらず何人もの参拝客が居た。
祈禱を依頼して祈祷料を渡すと
「祈祷室には同性のみ入室できます。」
と止められ、私は礼拝堂で待機になった。
せっかくなのでお参りしていこうかな。
周りの真似をして、女神像の前に跪いて手を組んで目を閉じ祈りを捧げる体制をとる。
聞いてくださいよ神様!と心の中で呟いてみる。
《面白いことになってるわね》
声が聞こえる!
聞き覚えの有るこの声はきっと、最初に背中を押した女神様だ。
返事がもらえるとは思いませんでした。
《ここはあなたたちと距離が近いのよ》
この状況、どうしたらいいでしょうか
《あなた自身がまだ不安定な状態なのね。
男として生きる覚悟が出来てないっていうか。》
とりあえず今夜また転移魔法を使ってもらう予定ではありますが
《強く男性の状態の姿を念じてから魔法を使えば戻れると思うわ。》
これからも不安定なままなのでしょうか?
《自分の性を強く認識することがあればいいのだけど》
というと…
《結婚するのが一番確実ね。
肉体的に愛し合うだけでも充分なんだけど。
女性でいるときに襲われでもしたらそっちに固定されちゃうかもしれないから気をつけてね。》
『それなんてエロ小説?』
えっと、神様として男の私を望まれてるとかではないのですか?
《私たちは面白ければなんでもオッケー!》
はあ
《あなたの幸せが一番よ》
女神がパチンとウインクしたように感じた。
《じゃあ頑張って!私のかわいい子供たちに祝福を!愛しているわ!》
ぱぁっと女神の光に包まれたような感覚がある。
解決には至らなかったな。
『考えようによっては変身できるってことだお!』
そうね、こうなったらポジティブシンキングよね!
目を開けると周りが騒がしくなっていて、誰かが叫ぶ声がする。
「聖女様!」
え、聖女?どこどこ
辺りを見回していると、奥から偉い人っぽい神官がさっきここにいた神官に引っ張られてくる。
「神官長!
この方が祈りを捧げているとその体が光に包まれて、
さらには眩いばかりの光が礼拝堂いっぱいに降り注いだのです。
まさしく女神の慈しみの光で、私も神の愛に包まれたような心地でした!」
視線が私に集まって、周りで礼拝していた人たちも頷いている。
もしかして、この方って私ですか?




