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脳内男子がうるさくて  作者: ちぇりこ


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前世の姿

宿に戻って部屋に入る。

この辺りでは高級めのこの部屋はバストイレ付。

二間続きになっていて奥の寝室にベッドが3つ並んでいる。

手前の居間でソファでくつろぐ王子にお茶を淹れる。

私の唯一の世話係っぽい仕事だ。


「転移してみるかい?」

とマクシムが言う。

この国なら安全だし、魔力残量が十分なら夜に一日一回転移魔法の練習をしてくれると言う。

どうしようかな。実際物質転送魔法はほとんど練習できていない。

『失敗しても自己再生の加護があるから大丈夫だお。』

案ずるより産むが易しかなあ。


マクシムと向かい合って両手をつなぐ。

「奥の寝室に移動してみよう。

つないだ手の感覚に集中して、自己を見失わないようにするんだ。

初めてだからゆっくりするよ。

その感覚を体に刻み付けるんだ。」

『どことなくエロさを感じる言い回しだお!』


マクシムが目を閉じて集中すると足元から光に包まれていく。

光と同化するような感覚の後、浮遊感があって繋いだ手から感覚が戻ってきた。

確かに分解という表現がしっくりくる。

分解され、分離された細胞ひとつひとつが光で洗われたようで気持ちがいい。


目を開けると目線の高さにマクシムの胸がある。

あれ?背は同じくらいだったはず、と思いつつ見上げると

マクシムの驚愕の表情が飛び込んできた。

「え?」と漏れた自分の声が高い。

『みっ』

『瑞希になってるお!』

えーーーーー!!


固まったままのマクシムの手を解いて、

慌てて洗面所に駆け込んで鏡を見ると確かに瑞希になっている。

魔法とかは?ちゃんと使えるの?

『魔法も加護も精神と結びついてるものだから大丈夫だお。』

試しに灯りを灯してみた。

うん、大丈夫みたい。


服は瑞希が良く着ていたシンプルなシャツとパンツだ。

有難いことに下着もちゃんと身に着けている。


気付くと洗面所を覗き込んでいるマクシムと王子がいる。

「女の子?」

と、戸惑ったように王子が聞いた。


確かに瑞希は小柄で胸も控えめである。

西洋人系のこの世界の人からしたら日本人は若く見えるのかもしれないけど27歳だ。

「成人してます!」

『でもあえて年齢は言わないんだお!』…うるさい。


実は前世の記憶が有って、これはその時の姿だ、

と二人に説明する。

この世界では輪廻転生という考え方は一般的ではないらしいけど

二人ともなんとか納得してくれたらしい。


「成人女性、なんだよね?」

と首を傾げながらマクシムが言う。

どういう意味よ。

『ちっぱい!ちっぱい!』

セクハラやめてください。

『ミズキが夢魔のおっぱいを貶した理由が分かったお!』

変な邪推もやめてください。


マクシムがパンと手を叩いた。

「とりあえず今日のところはこのまま休みましょう。

明日の夜にまた転移魔法を試します。」

『任務に忠実なマクシムは慌てて魔力が枯渇するような愚は犯さないんだお!』


寝室には並んだベッドが3つ。

「女性と同じ部屋で寝るわけには…」

と言う王子に

「安心して下さい。

これはミズキですよ?

それでも意識してしまうというなら私が間に入りましょう。」


有無を言わさぬ雰囲気でマクシムが仕切るので

私が手前の部屋のソファで寝るとか提案する間もなく就寝することになった。

まあそんなことを言ったら王子は女性をソファでなんか眠らせられないとか言いそうだけどね。


私だけ手前の部屋に戻りパジャマに着替える。

ミズキのサイズのパジャマはぶかぶかだ。

寝室に入ると私を見て王子は顔を赤らめた。

かわいい。


部屋全体に結界魔法をかけなおしたマクシムはさっさとベッドに入る。

「明日は早いですからね。」

私もベッドに入ると間もなく眠りに落ちた。

今日は色んなことが有ったな。



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