マッサージ
「お前の膝枕もしばらくお預けだな。」
と言う国王に
「そんなに疲れが取れますか?」
と聞くと満足げに頷く。
この世界で初めての旅行の予定にご機嫌な私なので
ツボ押しマッサージもサービスしてやろう。
王のマントを剥ぎ取りソファに座らせる。
先ずは肩まわりだ。
…うぉ、と王らしからぬ声が漏れる。
『どーですかお客さん!』
お客さんと言うよりお父さんかな。
父の日のプレゼントは肩たたき券から始まって
ツボ押しマッサージ券へとグレードアップしていったんだ。
出来ていたかは分からないけど気を流すとかいう方法も教わってきたりしてね。
毎年グレードアップするのは結構大変だったけど、お父さんはいつもすごく喜んでくれたから。
足ツボマッサージは翌年丁寧に辞退されたけど。
しんみりした気持ちになって現実に戻ると、今やカウチソファに俯せに寝転んですっかり寛いでいる王がいる。
『ちゃんと‘気’が流れているお』
‘気’がわかるの?
『この世界では神聖力と言われているものだお』
へー。
『人間が誰しも持っている生命エネルギーが神聖力だ。』
お?先生?
『神聖力の源はその名の通り神の世界と言われている。
神から供給され人間に内包されるエネルギー。
そして内包できる量には個人差がある。』
ほうほう。
『神聖力を多く内包できるものは他者にそのエネルギーを分け与えることもできる。
それを体系立てて使えるようにしたのが聖属性魔法だ。
《癒しの波動》も溢れた神聖力が周りに作用しているようなものだね。』
神聖力と魔力は違うんですか?
『神聖力と魔力は絡み合いながら体を巡っている。
魔法を使う本人さえ区別はできていないだろうね。』
へー。勉強になりました。
「どうでしたか?」
と王に声を掛ける。
「お前…」
これからは可能な限り城に泊まるようにと言い残して王は出て行った。




