転移魔法と男子の密談
「結局、部員はこの4名かな?」
マクシムが聞く。
「あ、私は転移魔法のことが聞きたいだけで、入部希望という訳では…」
「えー!部員があんまり少ないと予算貰えないよぉ」
ルルナが叫ぶとマクシムも笑って言った。
「そうだね。部外者には何も教えられないな。」
結局、掛け持ちになるので出席率が低いことを了承してもらってから、部員名簿に名前を書いた。
早速マクシムが転移魔法の話を始める。
「まずは物質転送から始めるんだ。
属性はあまり関係ない魔法だけど、風属性が全然ないと厳しいかな。」
そこにあったペンを右手で取ったマクシムだったがそのペンが消え、次の瞬間ペンは左手に現れた。
マクシムは性格はポンコツ気味だが、魔法の腕は確かなようだ。
「最初はこんな風に反対の手に移すことからやってみるといい。
手に握ったものを分解して反対の手で再合成するイメージだ。」
それができるようになったら、握ったものを手の届かないところに移動させる、次は触れずに移動、と地道な練習を繰り返していくらしい。
「確実に全て成功できるようになって初めて生物の転移練習に入る。
最初は術者に一緒に転移してもらい、次は術者に飛ばしてもらうんだ。
並行して魔獣とかで生き物を飛ばす練習を行って、ようやく自分で転移してみる段階だ。」
「聞きしに勝る大変さですね。」
とアリーが呟く。
「何回くらい練習したらいいのぉ?」
とルルナが聞いた。
「人によるけど、それぞれ百回くらいすれば安全かな。」
「一日何回くらい転移できるものなんですか?」
オングが質問した。
「魔力の消費量が多いから、僕は一日2回が限界かな。」
「つまり転移魔法の術者を長期に渡って雇用しないといけないんですね。
僕は諦めます。」
オングは決断が早いな。
「私もぉ。でも物質転送は練習しようかな。
そこの取ってぇってならなくてすむもんね。」
「まあ君たちがやる気があるなら僕が顧問でいる限りは協力するよ。」
マクシムは私の方を見た。
「君には感謝してるしね。」
「うわぁ」
物質転送に挑戦していたルルナが大きな声を上げたのでマクシムが様子を見に行く。
そのすきに
「ちょっとちょっと」
と、アリーとオングに隅に引っ張られた。
「君も夢魔の庵に行ったの?」
『やっぱり男の子は興味あるんだお』
「うん。すごいおっぱいだったよ。」
「おっ、ぱ」
赤くなったアリーの横でちょっと考えこんでいたオングが言う。
「今度みんなでそこに行ってみないか?」
『行っくぅー!リベンジだお!』
あー。前は早々に昇天してたからね。
「歩いて一日だけど帰りはそれじゃ済まないかもしれないよ。
疲労感がすごいって話だったし。」
「君はどうだったの?」
「私はおっぱい見ただけで時間切れだったから。」
「それがさ、リニューアルしたって噂なんだ。」
オングの情報によると、軽い疲労感だけですむようになったらしい。
魔物がそこまで人間の都合に合わせるものか疑わしいけど。
最悪私が野営すれば何とかなるかと引率として行くことになった。




