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脳内男子がうるさくて  作者: ちぇりこ


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王城の夜

上級使用人用の食堂で夕食をいただき、上級使用人用の浴場で湯につかり、フカフカのベッドに身を埋める。

人として駄目になりそう。


しかし侍従のリットさん。

どこまでがホントか判らないのは困るなあ。

『《読心術》を使えばいいお。』

唇を読む方じゃなくて

思ってることがわかるのね。

『魔力の高い人やガードの固い人相手には熟練度を上げる必要があるお。』

どうすればいいの?

『読んで読んで読みまくるんだお。』

じゃ、早速

『この城の人は総じて魔力が高いお』

あらら じゃ町に出た時にでも試してみるか。


寝室のカギをかけ、灯りを消してベッドに入ったところでリットさんの言葉を思い出す。

「幽霊ねえ」

古城なら出ても不思議じゃないかも。

でも魔法のある世界で幽霊とか場違いな気がする。

あの人、きっと人をからかって楽しむタイプだ。


『瑞希は霊感有ったんだお?』

いや、見たことは無かったかな。

ただ数年に一度くらい、夜中にすごく怖い気持ちで目が覚めることが有った。

悪夢を見た覚えもなく、突然目が覚めて鳥肌が立つような恐ろしい気分になっている。

あれは何だったんだろう。


『それはね』

なによ、急に低い声出しちゃって

『君は何かを見たんだ。』

だから夢も見てないって

『人の眠りには深い眠りと浅い眠りがあるのは知っているね?』

はい先生。

『浅い眠りの時は覚醒時に近く、薄く目も開いている事がある。』

そ、それで?

『実際君は見てるんだよ。

恐ろしさに身の毛もよだつ何かをね。』


ちょっとやめてよ。

なんか怖い気持ちになってきたじゃん。

まあ薄目開いて寝てる自分の姿とか想像すると笑えるけど。


『思い出してごらん。

無意識下に押し込めたその恐ろしい何かの姿を。』

いや思い出したくないし。その話し方も止めろ。


急に部屋の闇が蠢くような気がして、掛布を頭まで引き上げる。

やっぱりお化け怖い。

こんな時はどうしてたっけ。


『エロいことを考えるんだお!』

なんでよ

『幽霊の苦手なものは人間の生命エネルギーだお』

それがなんでエロよ

『生即ち是性なりだお!』だから色即是空みたいに言うな。



翌朝。

「よく眠れましたか?」

声を掛けてくれたリットさんの思考を覗こうとしてみる。

全く見えない。

「はい。」

と答えるとリットさんは小さく

「この部屋で…」と呟く。

絶対からかおうとしてるな。スルーしとこ


ち、と聞こえたのは気のせいだろうけど。

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