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脳内男子がうるさくて  作者: ちぇりこ


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城へ

へたり込んだ王子はなかなか立ち上がらない。

「僕は仕えるに値しない主かな?」

「そんなことは!」

王子は恨みがましい目を向ける。


「登校して、君が来てくれなかった時の僕の気持ちがわかるかい?

おまけにどこにもいないなんて。

僕が嫌で逃げ出したのかと思ったよ。」

つらつらと恨み言を言う王子にひたすら謝る。


「ぶっちゃけトラウマだよ。

今日もここへ来る途中、冷や汗と動悸が止まらなかったんだ。

ねえ、少しでも悪いと思うならさ、」

ようやく立ち上がった王子は私の顔を覗き込む。


「僕が登校する時は前日から城に泊まり込んで一緒に登校して欲しいな。」

えーやだぁ



結局、王子の登校前夜は王城に泊まることになってしまった。

部屋の鍵を開けて王子は侍従に聞く。

「明日登校予定だったよね?」

「はい」

「じゃ、早速今から城へ向かおうか。

そういえば君、荷物は?」

王子が部屋を見回して聞く。


「あ、事情があって森に隠してきました。」ということにしておこう。

「事情って?」

すっと空気が冷えた気がする。


「人を背負うことになって荷物が持てなくて。」

「くわしく聞きたいな。君の冒険譚」

「冒険者ギルドの依頼は守秘義務があるので話せません。」

「もちろん話せるところだけでいいよ。」

王子は寂しそうに呟く。

「僕には冒険なんて出来ないからさ、聞いてみたいんだ。」


王城に向かう馬車に揺られながら、夢魔の庵の依頼のあらましだけ話した。


王城に着くと王子とは別れ、侍従が私室まで案内してくれる。

「この階は上級使用人用になっております。

私の部屋は隣ですので何かあったら声を掛けてください。

あ、私の名前はリットと申します。以後、お見知りおきを。」


部屋は二間続きで奥は寝室、手前の部屋は来客にも対応出来るような部屋だ。

私が寝転んでも余りそうな大きなカウチソファが中央に配してあり、一角に書斎みたいなスペースがある。

寝室の扉には鍵があるが、手前の部屋は鍵が無く、セミパブリックなスペースとなっている。


前に来た時、触った覚えはないけれど、机の引き出しを開けてみる。

「探し物ですか?」リットさんが聞く。

「ええ、冒険者カードが見つからなくて。

探知魔法で王城に有るような結果が出たのですが。」

「王城の内部はあちこちに結界が作られていて、そういった魔法が効かないようになっております。」

『探索の加護もぼやけるみたいだお』

そうなのかぁ。


「これは秘密なんですが」

リットさんが声を落として囁く。

「この王城は古い建物でしょう?

悪戯好きな妖精が棲んでおりまして、物を隠したりするのは良くあることなのです。」

『妖精さん!

やっぱり女の子の姿なんだお?』

妖精なら私も見てみたい。

「ほんとですか?」

ちょっと期待して聞き返す。


リットさんは三日月のような目で笑った。

「嘘です。」

「え」

「と言うのも嘘です。」

「ええっ」

「信じるも信じないもあなた次第です。」

はあ?


こいつは食えない。


「では」

と踵を返したリットさんは扉の所で立ち止まった。

「妖精はどうか分かりませんが幽霊には気を付けてください。」

「え」それって出るってこと?


次の言葉を待たず、リットさんは出て行ってしまった。




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