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脳内男子がうるさくて  作者: ちぇりこ


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顛末

謹慎が解かれて学校に戻る。

ミルダの事件はそれなりに噂になっているようだ。


「ミズキ!」

朝食のトレーに食事を盛ったところでエリーナに声を掛けられる。

褐色肌の弓術部員だ。

一緒に食べようと誘われテーブルに着く。


「ミルダの事聞いたけど。大丈夫だった?」

声を潜めるように聞いてくる。どこまで知っているのかな。

「未然に防げなくて申し訳なかったよ。」

あいまいな返事をすると

「謹慎で済んで良かったね。

ミルダも魔力封印と退学で済んだなら感謝するでしょ。

王族に魅了を掛けようとするなんてね。」

エリーナは遠くを見るような目をする。


「あの子、男子に馴れ馴れしいから女子に嫌われることも多かったけど

私の肌の色を変な目で見なかったのは、この学校であの子が初めてだったんだ。

ミズキが二人め。」

エリーナはこちらをみて微笑んで見せる。


「私と同じように、今はもうこの国に吸収された小国の出身でね。

魔力を持つ人が少ない地域だから、期待を背負ってこの学校に来たって言ってた。」

「でも学校入ったら、自分なんかよりみんなすごいってよく言ってて。

だから功を焦ったのかなあ。地元ではチヤホヤされてたって言うのもあるとは思うけど。」

「退学になって、地元に戻ったのかな?」

「ううん。地元には戻らないと思う。

私もそうだけど、何にも持たずに地元になんか帰れないよ。」

「じゃ、ミルダは今…」


「ミズキが心配することじゃない。あなただって被害者なんだから。

あの子、いろんな男子の気引いてたし、そのうちの誰かにでも頼るんじゃないかな?」

逞しいんだから大丈夫だよと笑うエリーナと別れ部屋に向かう。


今日はもう授業は無理だ。

食事だって途中から味がしなかった。


この世界は厳しい。

それぞれが抱えるものの大きさにも今更気が付いてしまった。

ちょっとした悪戯心で防げたはずの事を見逃し、結果ミルダの未来を一つ閉ざしてしまった。

ごめんなさい。ごめんなさい。平和ボケの中身日本人でごめんなさい。

ミルダは今どうしているんだろう。


「いるかい?」

部屋の扉がノックされ、アリーの声がする。

どうぞと言うとアリーが入ってきた。

「ひどい顔してるね」顔を覗き込んでアリーが言う。


「ミルダがどうなったか気になってね。」

「君が気に病む必要はないと思うけど…。

自己都合じゃない退学の場合は学費が請求されることはないし、

少額だけど支度金が支払われるはずだよ。

仕事を紹介する時もある。

身一つで追い出して犯罪にでも走られたら困るからね。」

「そういう仕組みなのか。」

「食堂で君たちの話聞こえてたんだ。

君が自分を責めてるみたいだったから気になってね。」


「アリーは今回の件、どう聞いてる?」

「ミルダって子が君に魅了を掛けて王子を呼び出させて王子にも魅了を掛けようとしたら侍従に阻止されたって話だよね。」

王子の言ったとおりの筋書きが流れているらしい。

本当のことをアリーに相談できるわけもない。

繋げる言葉が見当たらず、外の景色を眺める。


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