表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
脳内男子がうるさくて  作者: ちぇりこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

116/154

聖女たち

決行を前に、歴代の聖女たちが領主館に集まってくる。

聖女たちにはそれぞれ家族が同行していてその様子から大切にされているのがわかった。

聖王が言っていた

周囲に愛されて幸せに暮らしていたって言うのは本当みたいだな。


一番初めに到着したのは高齢の聖女とその家族だった。

『どの世界でも年寄りは気が早いお!』

人生の残り時間が短いからね。せっかちになるのは仕方ない、ってそういうこと言うな。

『ミズキの方がよっぽど酷い事言ったお!』


高齢といっても聖女は初めて見た時のラリアさんと同じように

仄かな光を纏っていて

その瞳の輝きも、生き生きとした表情も若々しくて

ラリアさんの記憶に有った少女たちを思い出させる。


家族が使用人に指示をしながら荷物を運ぶ間に

ひとりになった聖女にラリアさんが話しかけた。

「ご家族とお幸せそうですね。」

「ええ」

と高齢の聖女は答える。

そしてラリアさんに労わるような目を向けた。


「あなたはずいぶん長い間お勤めしていたのですよね?」

神殿に呼び戻されるのを警戒してか、家族が神殿の動向を注視していたので

ラリアさんの境遇も知っているとのこと。

「何もできなくてごめんなさい。」

と高齢の聖女はラリアさんの手を握った。


いえ、と答えたラリアさんは自嘲するような笑みをもらして呟く。

「あの頃は もう故郷に帰りたい、そればかり考えてました。」

「私も早く故郷に帰りたいと思うことも有りますよ。」

と高齢の聖女は穏やかに微笑む。


「その…」

とラリアさんは戸惑うように言葉を続ける。

「ご家族といつか別れるのは怖くないですか?

特別な愛情を注いだ人たちだから。」

その言葉に 高齢の聖女は口元に笑みをたたえたまま目を瞬かせた。


「愛とはそんなものでしょうか。」

『おま何言ってんの?って顔してるお!』

聖女様がそんな言葉は使わないだろうけど

そう思っていそうなキョトン顔だ。


ややあって高齢の聖女は言った。

「私は愛しきったと胸を張って故郷に還るつもりでいますよ。」


ふと気になって口を挟む。

「聖女様方はみんな過去世の記憶があるのですか?」

たぶん、とラリアさんは答える。

「私の場合は10歳くらいまではぼんやりした中でただ生きていた感じです。」

神聖力の発現と共に前世の記憶もはっきりしてきたと言う。

高齢の聖女も同じようだったと話す。

「おかしな人と思われるだけですから、聞かれない限り人に話すことは無いですけどね。」

と笑う。


家族に呼ばれて今行くと応えた高齢の聖女は

「ねえ いつか故郷に還ってこの世界を思い出す時

愛しくて懐かしい思い出が欲しくないですか?」

とラリアさんに言い残して家族の元に向かった。



決行前日 

共にした食事の席で一人の聖女が王女に嘆きの森の成り立ちを自分も知りたいと言った。

「どうしてそんなことになったのか私にも家族にも動揺が有ります。」

と言う。

まあそれはそうだよね。

王女はにっこりと頷く。

「もちろんです。

事の顛末は詳らかにして皆様にもお知らせする予定です。」

そして私を手で示した。

「このミズキさんが。」

え『丸投げぇ?』


そして

「これはミズキさんが持っていてくださいね。」

と王女が私の腕にバングルを嵌める。

女神様が聖女の感情の依り代に変えてくれたバングルだ。

ミヤの衣装と一緒に王女に渡してあったものだ。

「私が持っていていいものなんですか?」

と聞くと

「ええ。あなたがこの件の責任者ですから」

と言った。

ワーセキニンシャダッテー



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ