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脳内男子がうるさくて  作者: ちぇりこ


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呪いの噂

久しぶりに来た学校は前より静かな雰囲気で

その静けさに何となく不穏なものを感じる。


リシアとエリーナに出くわして促され空き教室に入ると

まずエリーナに神聖国に行く前日に無視したことを謝られた。

気にしてないと言うと

「じゃその話は蟠りはないってことで終わりにして」

とリシアが話し始めたのは魔法研究部に関する噂だった。


「最近入学してきたエイダって子たちが吹聴してるんだけど」

と話しだす。

ウィズに絡みついてきたあの女子かな。

「ロイスと言う呪い子を招き入れてしまった魔法研究部は呪いに侵され

部員たちの言動は常軌を逸してきている…」

リシアが怪談を語るような口調で話す。


「そして彼らはこう呼ばれるようになったの。」

噂話をしようものなら誰彼構わず噛みついてくるルルナは猛獣、

ルルナの後から嫌味な正論をかましてくるオングは陰険猛獣使い。

『略して淫獣使いだお!』字が違うって。

そして仕上げに浄化魔法を放ってくるラリアさんは浄化魔、だそうだ。


「まあ呪いなんて本気にする人はそういないんだけどね。」

とエリーナが話す。

やっかいなのはエイダが貴族子女を味方につけたことなのだそう。


この国は実力主義とは言っても、魔法使いは貴族が多い。

人事権を握る者も貴族が大半な社会で

職業訓練校の生徒としては貴族子女に悪い印象を持たれたくないとの思惑から

魔法研究部員は学校の中で孤立しているような状態なのだそうだ。


「じゃ私も弓術部のみんなと関わらない方がいいかな」

と言うと

「私は卒業後実家に帰る予定だから特に問題無いけど。」

とリシアが言って

「私は国の仕事をする予定だけど、もうミズキを無視するようなことはしたくない。」

とエリーナが言う。


嬉しいけれど、それでエリーナの就職に不利になるのは嫌だ。

しばらくはあまり関わらないようにしようと話して魔法研究部に向かった。


魔法研究部に行ってみると思いのほか明るい雰囲気で安心する。

聞くと、噂は知っているし、貴族子女が絡んでいることも分かっているけれど

マクシムが就職に不利にならないよう取り計うと確約してくれたので気にしないそうだ。

でもこうやって部室に全員揃っているその状況に事態の深刻さを感じる。


「そういえばウィズは?」

と聞くと、初めのころはエイダを諫めてくれていたらしいが

他の幼馴染が上京してきて、貴族子女を味方につけてからは

こちらから一旦距離を置くことにしたのだという。

「ウィズ君とは言え就職に不利になるのはかわいそうだもんね。」

とルルナが言った。


この状況に、ロイスは内心負い目を感じている風だけど

皆の手前か、努めて明るく振舞っているようだ。

対してラリアさんは浄化魔法を掛ける機会が多くて上達できたと上機嫌だった。


「普通の浄化魔法じゃ無いみたいなのぉ」

とルルナが言う。

一時的ではあるけれど浄化魔法を掛けられた人から意地の悪い表情が消えるのだそうだ。

「心まで浄化してるみたいだよね。」

とオングが言うと

「浄化魔法の新しい可能性を感じるよ。」

とうれしそうにマクシムが言った。


『それって精神魔法と言えるのでは?』

「大丈夫なんですか?精神に干渉するとなると」

ちょっと心配になる。

魔法学校では教師の監督下で無い攻撃魔法の使用は禁じられている。

回復魔法や治癒魔法、浄化魔法は禁止されてはいないけれど。


「大丈夫だ。

僕もよく掛けてもらってるけど悪い作用は無いし心が晴れるようだよ。」

とマクシムが言う。

『大丈夫か?この顧問』

まあラリアさんだから聖女の付加効果なんだろうけどね。



扉を叩く音がして、王城からの招集だとマクシムと二人向かうことになった。

嘆きの森の浄化の話かな。


扉の前で振り返ったマクシムは皆に向かって

「遅くなるようなら夕食は先に済ませてくれていい。」

と言った。

聞くと皆、今はマクシムの邸に泊まっているのだと言う。

ラリアさんの保護強化の指示があった後、マクシム邸での暮らしを提案したところ

寮の雰囲気も良くないので皆一緒に、と言うことになったのだそうだ。


「君も来るといい。」

とマクシムが言う。

「大勢でご迷惑なのでは?」

と言うと、そんなことはないと言う。


「急に生家を出ることになって手頃な家が無くてね。

手に余るような大きな邸を買うことになってしまったんだけど

今になって役にたってるよ。」

と笑う。

客室も多く皆に個室を割り振ってもまだ空き部屋があると言う。


だったら私もお邪魔しようかな。

マクシムの家もちょっと興味あるし

部のみんなと一緒なんて合宿みたいで楽しそう。

『お泊り!女の子とお泊り!』

だお君が期待してるようなことは起こらないと思うけどね。



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