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脳内男子がうるさくて  作者: ちぇりこ


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嘆きの森

石柱に魔法陣を描き込むパフォーマンスも滞りなく済んで

女神に教わった救済手順をおさらいする。

歴代聖女の祈りの力を借りてその地を浄化して

そこに残された聖女の感情をバングルに一旦おさめる。

何が起こったのか話にまとめてから

記憶のない聖女を見つけて話を伝えて

聖女がその感情を受け入れて初めて救済になるそうだ、と。


「聖女に何が起こったんでしょう。」

と一人が呟いた。

「ひどい扱いを受けたとかですかね。」

『エロ同人みたいに?エロ同人みたいに!』

変な妄想しないの!

「嘆きの森に行けば何か分るかもしれないわね。」

と王女が言った。


帰国する前に嘆きの森を見て行こうという話になる。

使節団の一行と帰ったように見せかけて

王女と側近4人に詩人さんを加えて、嘆きの森を見ていくことになった。


道々人に聞く嘆きの森は

黒い靄に覆われて入ることもできない恐ろしいところだそうだ。

嘆きの森を知る人は多いけれど

その成り立ちを知る人は居なかった。



遠目で見た森は薄靄がかかっているように見えた。

近づくにつれその靄はどんどん濃く黒くなっていく。

森の入り口まで覆う黒い靄はゆっくりと動いているようで

浮遊魔法で上から見てみると中心から渦を巻くように靄が広がっているとのことだった。


手を差し入れても何の感覚もない靄に一歩踏み込んでみる。

「うわっ」

と思わず声が出る。

それはまるで心に干渉する砂嵐のようだ。

嘆き、悲しみと言った感情が砂粒のように次々とぶつかってくる。

遠くで悲鳴のようにか細い声が聞こえる。

“わたしのせいで”

瞬間方向感覚を失って上も下も分からなくなる。

しゃがみ込みそうになったところで背中を引っ張られ靄から出された。


「これは」

順番に靄に入っては引き出されて全員がその場にしゃがみ込んだ。

肉体的にダメージがあるわけでないのに立っていられない。

みな一様に胸を押さえ荒い息をする。

感情というものが体にこれほど影響するとは思わなかったな。


「自責の念でしょうか。」

「わたしのせいで、と聞こえた気がします。」

感じたことはみな同じようで

それ以上のことはわからなかった。

まあエロ同人みたいな展開じゃなさそうだけど。


詩人さんが情報を集めることになって近くの街で詩人さんと別れて

私たちは帰路についた。



帰城した時には、先に戻っていた使節団から大体の報告はすんでいたらしく

こちらの要求が全て通ったことでほくほく顔の王に迎えられた。

歴代聖女の協力が必要なことを話すと

ラリアさんを連れてきた後にその居場所は調べがついていて

各国に忍ばせた密偵と転送魔法でやり取りするので割と早く連絡がつきそうとのことだ。

それでも実際に嘆きの森を浄化するのは3,40日後になるとのことだった。



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